皮膚科と漢方薬

漢方薬といえば、風邪薬としてよく飲まれる「葛根湯(かっこんとう)」などが有名ですね。
今月は漢方治療についてお話しましょう。
西洋医学が「病気」に注目するのに対し、漢方治療では、病気を持つ「その人全体」を診ます。
患者さんの顔色はどうか、暑がっているのか寒がっているのか、汗をよくかくか、便通はどうか、年齢はいくつか、疲れやすいかどうかなど、一見その症状とは関係のなさそうに見える情報も含めて患者さんの状態をみて、薬を処方します。
そのため、同じ病気でも人によって薬が違うこともありますし、病名が違う患者さんにも同じ薬が処方されることがあるわけです。

アトピー性皮膚炎、ニキビなど、慢性の皮膚炎の方の体質改善に有効

当院では、基本的には、即効性のある軟膏や飲み薬を処方しますが、患者さんが西洋薬に抵抗があり漢方薬を希望される場合や、アトピー性皮膚炎や蕁麻疹、ニキビなどで、なかなか治りにくいケースには、意向もお聞きして、漢方薬を処方します。
20、30代の女性に多いニキビは、食事の偏り、便秘や生理などがひきがねとなっていることがあります。漢方でいう「気血水の滞り」をなくし、体質を改善していくことで、人によっては1ヶ月程度で効果がでることもあります。

保険診療が適応されます

漢方治療は、保険診療が適応されています。お薬代の目安は、一ヶ月で1,500円程度です。 小さいお子さんの場合は、薬の量を成人の3分の1にしたり、成長や体調に合わせて処方を変えるなど、微調整をしていきます。
「建中湯類(けんちゅうとうるい)」など、甘くて飲みやすいものもあるので、ご相談ください。

2009.05.01 16:45

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