ハンドソープにご注意

最近、ちょっと気になることがあります。

それは、ちまたにあふれる「除菌」「殺菌」「消毒」をうたったハンドソープのこと。
実は当院の台所にも置いてありました。いわく、手を洗うと同時に殺菌ができます!

泡状で使いやすくて、なかなか良さそうなイメージですよね。でも良く見ると含まれる成分は、トリクロサンやアルコール系溶剤。これらは確かにバイ菌をやっつける効能はありますが、手の皮脂分までとってしまい、手あれの原因となってしまいます。
日常の手洗いでは、特別な殺菌効果がなくても、ふつうの石けんを使ってよく洗い流せば、それで充分にバイ菌をやっつけることができ、効果に大差はありません。

荒れた肌は雑菌に感染しやすい

繰り返し水仕事や消毒をし過ぎた手は、カサカサに乾燥してしまい、皮膚にかゆみがおこることがあります。これはバイ菌や有害物質が手を刺激するからです。 つまり手荒れした肌は、保護膜の役目を果たす角質層にある脂質が少なくなっているのでバリア機能が低くなり、外部からの雑菌がはいりやすく、皮膚病などに も感染しやすくなってしまいます。
除菌のためのハンドソープを使って、肌荒れをおこして雑菌がいっぱいになるというのでは、本末転倒。皮膚を清潔に保つことは大事ですが、何ごともほどほどが大切ですね。手が荒れやすい人は、石けんの見直しをオススメします。

手あれの予防法

炊事などの手あれの原因となる仕事をするときには、できるだけ手袋をして、後でハンドクリームをこまめにぬっておきます。
ただし、ゴム手袋はゴムの刺激で皮膚炎を起こすこともあるので、湿疹ができているときは、綿の手袋をした上にビニール手袋をするのがいいでしょう。

素手で洗い物をするときには、事前に皮膚保護クリームを塗っておく、洗剤は原液を薄めて使う、できるだけ水かぬるま湯で洗う、水仕事がおわったらしっかりと水分をふきとって、手入れも忘れずにしましょう。

2009.03.01 17:07

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