イソトレチノイン治療Isotretinoin Treatment

イソトレチノイン治療は、ビタミンA誘導体であるレチノイドを主成分とした内服薬による治療法です。

レチノイドは皮脂の分泌を抑える作用や、アクネ菌に対する抗菌作用、抗炎症作用に優れており、重症のニキビに対して有効とされています。

イソトレチノインは海外では重症のニキビ治療に有効な薬剤として認知されていますが、日本では厚生労働省の承認が取れていないため、保険適用外となります。

イソトレチノインのニキビへの効果

皮膚分泌を減らす

皮脂を分泌する皮脂腺を縮小させ、皮脂の分泌を減らします。

皮脂腺が縮小されることで、ニキビの原因菌であるアクネ菌が定着できなくなり、アクネ菌を減らすことができます。

細胞を正常化

イソトレチノインは、細胞に働きかけ、皮脂腺細胞や表皮細胞を正常化する働きがあります。

皮膚の細胞が正常に働くようになると、皮膚の角化を制御し、毛穴のつまりを防ぎます。

抗炎症作用

イソトレチノインは、免疫反応を正常化する作用(過度に免疫が反応してニキビの炎症が悪化することを防ぐ)があり、免疫反応を抑えることでニキビの炎症を緩和してくれます。

えいご皮フ科の
イソトレチノイン治療

治療実施院

全院対応

イソトレチノイン治療をご希望の場合は、
まず診察時間内に
一般皮膚科受診にお越しください。

レコルダティ社の
アクネレントを使用

イソトレチノインを主成分にした薬には先発医薬品とジェネリック医薬品があります。

先発品:アキュテイン
ジェネリック医薬品:ロアキュタン、アクネトレントなど

当院で取り扱うアクネトレントは先発医薬品と同じ効果や効能があり、安全性についても確認されているジェネリック医薬品です。レコルダティ社(トルコ)より輸入しています。

内服量と治療期間について

イソトレチノイン内服治療は、ニキビが完全に消失するまで続ける必要があります。薬に内服に関しては医師の指示にしたがって、正しく服用を行ってください。

内服量について

推奨:0.5~1.0㎎/㎏

アクネトレントは通常、0.5~1.0㎎/㎏が
推奨とされています。
当院では、20㎎錠を1日1回飲むことから始めます。※

当院では、10㎎と20㎎の2種類のカプセルを
用意しています。
内服量は患者さまごとに調整しています。

※体重によっては1日40㎎から開始することもあります。

治療期間について

治療期間は6ヵ月程度

治療開始後1ヵ月間は、稀に、
一過性のニキビの増悪がみられますが、
平均して2~3ヵ月でニキビが改善していきます。

症状や副作用の程度をみながら累積投与量を目指して内服を継続します。

※再熱や再発を防ぎ、寛解状態を保つための累積投与量は、
120-150㎎/㎏が推奨されています。

イソトレチノイン治療の
料金

※価格はすべて税込みです。

■ 診察代

初診料(自費) 2,200円
再診料(自費) 1,100円

■ イソトレチノイン

10㎎(30日分) 13,200円
20㎎(30日分) 16,500円

■ 検査

血液検査※ 1,100円
妊娠反応検査※ 1,500円

※血液検査は、肝機能・中性脂肪・コレステロール・CPK・抹消血液一般です。

※妊娠反応検査は女性の患者さまは初回に必ず必要です。

イソトレチノインの
副作用や注意事項について

イソトレチノインの重大な副作用の一つに、妊娠している女性に投与すると流産や胎児の奇形を引き起こすという副作用があります。

当院では、女性の患者さまには、必ず妊娠反応検査を実施しています。また、イソトレチノインは以下のような副作用が起こる可能性があります。

  • ■ うつ、精神病(幻覚・幻聴)、自傷行為、自殺企図などの重大な精神疾患
  • ■ 皮膚や粘膜の乾燥症状、鼻の粘膜の乾燥によって生じる軽度の鼻血
  • ■ 頭痛、めまい、吐き気
  • ■ 発疹、軽度の痒み、落屑
  • ■ 眼瞼炎、結膜炎
  • ■ 筋肉痛、関節痛
  • ■ 肝機能低下
  • ■ 血中コレステロール値の上昇
  • ■ 脱毛(一時的なもので、内服終了後に回復します)
  • ■ うつ傾向

イソトレチノインが
受けられない方(禁忌事項)

以下に該当する場合、イソトレチノイン治療を受けることができません。ご了承ください。

  • ■ 妊娠中・授乳中の方、妊娠する可能性のある方
  • ■ 15歳未満の方や成長期で身長が伸びている方
  • ■ イソトレチノイン製剤、トレチノイン製剤、
    ビタミンAでアレルギーを起こしたことがある方
  • ■ テトラサイクリン系の薬剤を内服されている方
  • ■ うつ病、その他の精神疾患で治療中の方
  • ■ 肝機能障害のある方
  • ■ 中性脂肪、コレステロールの高い方
  • ■ ビタミンA過剰症の方
  • ■ 大豆アレルギーの方
    (アクネトレントには大豆油が含まれているため)
  • ■ レーザー脱毛、光脱毛中の方
    (治療中および治療中止後1ヵ月は脱毛を中断していただきます。)

えいご皮フ科の
イソトレチノイン治療の流れ

一般皮膚科受診

イソトレチノイン治療は、まず、一般皮膚科受診をお願いします。

診察(一般皮膚科)

医師の診断を行います。
重度のニキビ治療薬として
適応のある方に
注意点を説明の上で
イソトレチノイン製剤を処方します。
まずは、症状や状態を
お伺いさせてください。

検査

処方希望の患者さまは採血が必要です。
女性の患者さまの場合は、
妊娠反応検査も併せて行います。

検査結果が出るまでに
約1週間程度かかります。

検査結果説明と初回処方

検査結果が出たら、ご来院いただき
検査結果説明と初回処方を行います。

2回目以降の場合

処方と診察を同時に行います。
ニキビの新生の有無や
副作用について確認し、
薬の服用量を調整します。

治療後3ヵ月経過後

血液検査を行います。
血液検査は必要に応じて、
1ヵ月後にも実施することがあります。