えいご皮フ科

虫さされ(虫刺症)

どんな病気?

蚊、ブユ(ブヨ)、アブ、ハチなどの昆虫に刺されて生じる皮膚炎のこと。吸血の際に注入される昆虫の唾液腺物質に対するアレルギー反応と考えらています。したがって、腫れかたやかゆみの程度は、年齢や刺される頻度によって個人差が大きくなり、見ただけでは何に刺されたかを推測することは難しいことも多いです。刺された直後からかゆみや腫れが出現し、1~2時間で軽快する場合と、1~2日してから腫れてくる場合もあります。
ただ、刺されている場合は原因が明らかなので、治療に関してはステロイドの塗り薬や抗アレルギー剤の飲み薬が有効です。

蚊の場合
蚊に刺された場合の皮膚反応としては、刺されてすぐに出現する場合(即時型反応)と、刺されて1~2日で出現する場合(遅延型反応)があります。
これらの反応は年齢と共に変化します。一般に乳幼児期には遅延型反応のみ、幼児期~青年期には即時型反応と遅延型反応の両者、青年期~壮年期には即時型反応のみが出現し、老年期になるといずれの反応も生じないことが多いようです。
最近ではデング熱などの原因になることもあるので、刺されやすい場所に行くときには十分な対策(虫除けスプレーや妨蚊の衣類の着用など)が必要です。
ノミの場合
ネコノミがほとんどです。体長は2-3mmでネコ以外にもイヌにも感染していることがあります。さされると水ぶくれになるのが特徴です。刺されても気づかずに1-2日して症状が出ることもあります。
蚋(ブユ)の場合
ブユ類は体長2~4mm程度の小型のハエのような吸血性の虫です。ブヨ、あるいはブトとも呼ばれ、野外レジャ-の際に刺されます。刺されている時は痛み、かゆみをほとんど感じず、半日くらいすると刺された所が赤く腫れて次第に激しいかゆみを生じます。しこりができて長く残る人もいます。
ダニの場合
ダニによる虫さされの原因としては、ネズミに寄生するイエダニ類が多いです。体長0.7mm前後ときわめて小さい上に、寝ている間に布団に潜り込んで刺されます。古い一戸建てで、ネズミが生息するような家で被害がでやすいようです。
顔や手足はほとんど刺さず、わき腹や下腹部、ふとももの内側などを刺します。
イエダニ類とは別に、山でのハイキングや野外レジャーの際にマダニ類による刺咬を受けることがあります。マダニ類は体長1~3mmで、本来は野生動物に寄生していますが、ヒトの体に取りついて、わき腹やふともも、陰部などの皮膚に咬みついて吸血します。そして数日後にはダニの腹部が数mm大に膨らみます。無理に引き抜こうとすると、頭部が皮膚に残って炎症を起こすことがあります。
また、ダニの種類によってはライム病や日本紅斑熱などの感染症を媒介することもあります。
ハチの場合
刺すハチとしてはミツバチ、アシナガバチ、スズメバチが代表的です。
ハチに刺されると、激しい痛みが出現し、赤く腫れます。初めて刺された場合、通常は1日以内に症状は治まります。しかし、2回目以降はハチ毒に対するアレルギー反応が加わるため、刺された直後からジンマシンを生じたり、刺されて1~2日で強い発赤、腫れを生じたりします。ひどい場合は刺されて30分~1時間で意識消失や血圧低下などを生じて、死に至ることがあります。これはアナフィラキシーショックと呼ばれる症状で、ハチ刺されによる死亡事故はこの特殊なアレルギー反応によるものです。
ケムシの場合
すべてのケムシが毒を持っているわけではありません。実際には有毒毛を有する一部のケムシに触れた場合にだけ皮膚炎を生じます。  有毒毛には主に毒針毛(どくしんもう)と毒棘(どくきょく)があり、前者はドクガ類(ドクガ、チャドクガなど)、後者はイラガ類(イラガ、ヒロヘリアオイラガなど)の幼虫に備わっています。
ドクガ類の毒針毛は長さ0.1~0.2mmと小さく、幼虫1匹に数十万本以上が密生して、触れると激しいかゆみを伴うジンマシンのような症状、あるいは赤いブツブツが多発します。ツバキやサザンカにつくチャドクガの幼虫による被害が多く、ケムシに触れた覚えがなくても皮膚炎を生じる例が意外に多いです。
一方、イラガ類の毒棘に触れると、ピリピリした激しい痛みと発赤が出現し、1~2時間で一旦治まります。まれに翌日以降に同部が赤く腫れてかゆみを生じることがあります。
主に西日本の人家周辺ではサクラやカエデ、バラ、クスノキなどにつくヒロヘリアオイラガの幼虫による被害が多いです。

院長のメッセージ

弱い薬で時間をかけてしまうと、とびひや痒疹などに移行して治療が長引きます。
場合によっては、痕が残ってしまうこともあります。
原因が明らかなので、強めの塗り薬で早く治すほうがよいです。
虫刺されと侮らず、治りが悪い場合は早めに受診してください。

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