えいご皮フ科

ドクガ(毛虫)皮膚炎

どんな病気?

"急に体に赤いぶつぶつができて、チクチクして痒いです"という方を、6月前後と9月前後に診察する機会が増えます。原因は、まったく思い当たることがないという方も多く、ときにはヘルペスではと心配されたりして来られます。皮膚科医であれば診れば、大抵は毒蛾の皮膚炎と診断がつきます。毒蛾の幼虫、いわゆる毛虫、一匹あたり100万本以上の毒針毛とよばれる毛が皮膚に刺さることで起こります。繰り返し刺されることで症状がひどくなり、痛みや痒みで眠れなくなることや、ひどい場合には発熱やめまいを起こすこともあります。 ツバキやサザンカ、茶などの葉のうらにびっしりと毛虫がついていると要注意です!毒針毛は非常に小さく軽いので、直接毛虫に触れなくても、風に乗ってこの毒針毛にやられることがあります。

治療
早く治すには、ステロイドの塗り薬です。原因がはっきりしている場合には繰り返すことがないので、強めのステロイドでも心配はいりません。むしろ早く治してしまう方がよく、ステロイドを使うデメリットよりも断然メリットが大きいです。
この毒蛾(ドクガ・チャドクガ・モンシロドクガ)とその幼虫に近寄らない、触らないに越したことはないので、庭木がある方は予防策としては、早い段階で剪定を行うことで、風通しを良くしておき、卵塊を見つけたら葉ごと切除しておくと良いようです。毒針毛を固めるスプレーなども市販されています。

院長のメッセージ

一度、経験するとわかりますし、対処もできますが、初めてなった時は思い当たることがなくて心配になります。
疑わしいときは、着ていた衣服を洗濯すること、痒いところはまだ毒針が刺さっているので優しく石鹸をつけて洗い流してください!。

文責:医療法人正英会 医学博士 山田詠剛

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