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ニキビ跡(痕)がシミになるのはなぜ?原因と皮膚科医が教える自宅ケア&専門治療

2025/09/23

ニキビ跡がシミになるメカニズムと、症状別に適した治療法をわかりやすく紹介。

自宅でのスキンケア方法や再発防止のポイントまで網羅し、肌トラブルの不安を軽減します。

1. ニキビ跡(痕)がシミになるメカニズム

ニキビが治ったあとに肌に残る「跡」。それが時間の経過とともにシミへと変化するケースがあります。

この変化には、肌の炎症やダメージに対する体の反応が深く関係しています。

炎症が長引くことでメラニンが過剰に生成され、そのまま沈着してしまうことがあるのです。

特に繰り返し同じ場所にできるニキビや、強くつぶしたニキビほど、色素沈着や赤みが長引きやすくなります。

1-1. ニキビ跡(痕)のシミの種類

ニキビ跡にはさまざまなタイプがあり、見た目や治り方も異なります。

それぞれの状態を正しく知ることで、適切な対処や予防につながります。

ニキビ跡にはいくつかの種類があり、それぞれ見た目や原因、対処法が異なります。以下に代表的な3タイプをまとめました。

種類 見た目の特徴 主な原因 改善傾向 適したケア・治療
炎症後色素沈着 茶色~黒っぽいシミ 炎症後にメラニンが沈着 時間とともに薄くなることが多い 紫外線対策・美白成分・ピーリングなど
炎症後紅斑 赤みのある跡 毛細血管の拡張 長期化することもある レーザー治療・保湿・冷却など
ケロイド(肥厚性瘢痕) 盛り上がった硬い傷跡 強い炎症や傷による過剰な修復反応 自然に消えることは少ない ステロイド外用・注射・圧迫療法など

1-1-1. 炎症後色素沈着

ニキビによって生じた炎症がきっかけでメラニンが過剰に生成され、肌に茶色や黒っぽい跡が残る状態です。

紫外線を浴びることでさらに濃くなることがあるため、日焼け止めの使用が大切です。

このタイプは肌表面に近いところで跡になっているため、時間の経過や適切なケアで薄くなることが期待されます。

1-1-2. 炎症後紅斑

炎症が治ったあとも毛細血管の拡張が続き、赤みが残る状態を指します。

特に肌が白くて薄い人に多く見られます。

色素沈着と違い、赤みは光や熱に反応しやすいため、冷却や保湿によるケアが効果的です。

医療機関ではレーザー治療が行われることもあります。

1-1-3. ケロイド(肥厚性瘢痕)

ニキビの炎症が強すぎた場合、傷跡が盛り上がってケロイドになることがあります。

触ると硬く盛り上がっているのが特徴で、痛みやかゆみを伴うこともあります。

自然に消えることは少なく、医師の判断によって外用薬や注射治療が検討されるケースもあります。

1-2. どのようなニキビ跡(痕)がシミになりやすい?

画像:https://hifuka-eigo.com/general/acne/

一般的に、炎症が強く長引いたニキビほど、シミとして残るリスクが高まります。

たとえば膿をもった赤ニキビや、繰り返しできるあごや頬のニキビがそれに当たります。

また、無理に潰したり、紫外線を浴びたりした場合も、肌のバリア機能が乱れ、色素が沈着しやすくなります。

肌が敏感な方や、もともと色素が残りやすい体質の人は、早めのケアがとても重要です。

2. 皮膚科でのニキビ跡(痕)によるシミ治療方法

ニキビ跡がシミとして残ってしまった場合、自宅ケアだけでは改善が難しいこともあります。

そんなときは、皮膚科で行う専門的な治療を検討してください。

状態に合わせた適切な治療法を選ぶことで、肌のトーンが整い、明るく健やかな肌に戻す事ができるでしょう。

ここでは代表的な3つの治療法についてご紹介します。

治療法 主な作用 適応となる症状 特徴
レーザー治療 メラニンや血管への直接アプローチ 色素沈着・赤み(紅斑) 効果が高く即効性があるが回数が必要
ピーリング・イオン導入 古い角質の除去と有効成分の浸透促進 軽度の色素沈着・くすみ 肌への負担が少なく初期ケアに適している
内服薬・外服薬による治療 メラニンの生成抑制・ターンオーバー促進 広範囲の色素沈着・予防目的など 自宅でも継続しやすいが即効性は低め

2-1.  レーザー治療

レーザー治療は、濃く残った色素沈着や赤みに対して集中的にアプローチできる方法です。ピンポイントでメラニンを破壊したり、拡張した毛細血管を縮小したりするタイプのレーザーが使われます。照射時には軽い刺激を感じることもありますが、ダウンタイムが少ない機器も増えており、通院しながら継続しやすいのが魅力です。肌質や症状により回数や種類が変わるため、まずは診察での相談が必要です。

2-2. ピーリング・イオン導入

ケミカルピーリングは、古い角質を取り除いてターンオーバーを促す治療です。

これにより、メラニンの排出がスムーズになり、薄い色素沈着であれば数回の施術で変化を感じられることもあります。

さらにビタミンCなどの有効成分をイオン導入で肌の奥まで届けることで、美白や保湿の効果が高まります。

特に初期のシミや赤みに対しては、刺激が少なく取り組みやすい治療法です。

画像:https://hifuka-eigo.com/beauty/tretinoin/

マッサージピールは、肌表面を傷つけずに美容成分を届けることを目指した施術です。

シミやニキビ跡のほか、美容面で気になるお悩みにも対応したメニューとして提供されています。敏感肌やレーザーが苦手な方にもおすすめです。

女性 お悩み:ニキビ・ニキビ痕(跡) 費用総額:101,750円(税込)

【施術内容】マッサージピール(5回)/ビタミントリートメント(5回)

画像:https://hifuka-eigo.com/beauty/tretinoin/

こちらも肌への負担が少なく、無理なく続けられる治療です。まずはお気軽にご相談ください。

2-3.内服薬・外服薬による治療

色素沈着には、飲み薬や塗り薬によるアプローチも効果的です。

たとえば、ビタミンCやトラネキサム酸の内服は、メラニンの生成を抑える働きがあり、肌全体のくすみ対策にもつながります。

外用薬では、ハイドロキノンやレチノールなどが使われることもあります。

ただし、これらは使い方を誤ると刺激や副作用のリスクもあるため、自己判断はせず皮膚科での処方が安心です。

画像:https://hifuka-eigo.com/beauty/tretinoin/

ニキビ跡がシミとして残ってしまった肌に、医療用トレチノイン治療も検討されます。

肌の状態に応じて、医師が色素沈着やくすみに対して提案することがある治療法のひとつです。

えいご皮フ科では、肌の状態に合わせて「Acne mix」「Consensus mix」などのトレチノインジェルを用いた治療を行うことがあります。

肌の状態に合わせて適切に使用することで、明るくなめらかな肌を目指します。

2-4. 皮膚科でのニキビ跡(痕)によるシミ治療は保険適用される?

ニキビ跡のシミ治療は、基本的には「美容目的」とみなされることが多いため、保険適用外の自由診療となるケースがほとんどです。

治療を受ける前に、事前に費用や治療回数の目安についてしっかり確認しておくと安心です。

えいご皮フ科では、初診時に丁寧なカウンセリングを行いますので、納得したうえで治療に進むことができます。

3. ニキビ跡(痕)によるシミの自宅でのケア方法

シミになる前の段階でしっかりケアを行うことは、ニキビ跡の色素沈着を防ぐうえでとても大切です。

日々のスキンケアの積み重ねが、肌の質や明るさを保つ鍵となります。ここでは、自宅でできる基本的な対策をご紹介します。

3-1. 保湿・スキンケア

乾燥した肌はバリア機能が低下し、刺激に敏感になります。

その結果、炎症が長引きやすくなり、シミとして残る可能性も高くなります。

洗顔後すぐに保湿を行い、水分と油分のバランスを保つことで、肌の修復力が高まります。

敏感な部位には、セラミドやヒアルロン酸が含まれた保湿剤がおすすめです。

特に季節の変わり目や花粉の時期は、肌の乾燥や荒れが悪化しやすいため注意が必要です。

3-2. 正しい洗顔を行う

肌を清潔に保つことは大切ですが、強すぎる洗顔は逆効果です。

ごしごし洗いは肌への摩擦ダメージとなり、炎症を悪化させることがあります。

洗顔料はしっかり泡立てて、指が肌に触れないくらいの力加減でやさしく洗いましょう。

1日2回、朝と夜の洗顔を目安に、ぬるま湯で丁寧にすすぐことがポイントです。

洗顔後はタオルでこすらず、押さえるように水分を拭き取ってください。

3-3. ニキビをつぶさない

つい気になって触ってしまうニキビ。しかし、指で押し出すと皮膚の奥に傷が残り、シミやクレーターの原因になります。

さらに、手には雑菌が多く、二次感染を引き起こすリスクも高まります。膿がたまっていても、自分で処置するのは避けましょう。

症状がつらいときは、皮膚科で適切な処置を受けることが大切です。

3-4. 自宅でのスキンケアで改善できない場合は皮膚科で専門的な治療を!

ドラッグストアで購入できるシミ対策商品には、美白有効成分が配合された医薬部外品が多くあります。

ビタミンC誘導体やトラネキサム酸など、厚生労働省に認可された成分が含まれているものを選ぶと安心です。

ただし効果には個人差があるため、一定期間使っても改善が見られない場合は、専門医に相談しましょう。

4. シミ化予防と再発防止のために今日からできること

ニキビ跡がシミになるのを防ぐためには、治療だけでなく日々の生活習慣も大切です。

肌は外部からの刺激だけでなく、体の内側からの影響も受けやすい器官です。

ここでは、シミ化を未然に防ぎ、再発しにくい肌環境をつくるために意識したいポイントをご紹介します。

4-1. 炎症を悪化させないためのポイント

まず意識したいのが「炎症を長引かせないこと」です。

ニキビの炎症が続くと、色素沈着につながる可能性が高くなります。

ビタミンC、E、亜鉛など抗酸化作用のある栄養素をしっかり摂ることで、炎症を抑えるサポートになります。

特に緑黄色野菜や魚、ナッツ類はおすすめです。

脂っこい食事や甘いものの摂りすぎは皮脂分泌を促すことがあるため、バランスのよい食生活を心がけましょう。

4-2. 効果的な紫外線対策を行う

紫外線は、ニキビ跡をシミとして定着させる大きな原因のひとつです。

日焼け止めは、外出前の朝だけでなく、数時間おきに塗り直すことが大切です。

SPFやPAの数値だけでなく、「敏感肌用」と表示されたアイテムを選ぶと安心です。

また、マスク生活が続いていても、マスクのすき間や反射光で紫外線は肌に届くため、顔全体にむらなく塗ることを意識しましょう。

4-3. 生活習慣を整える

肌の回復には、十分な睡眠と安定した自律神経の働きが欠かせません。

とくに夜10時〜深夜2時は「肌のゴールデンタイム」と呼ばれ、成長ホルモンの分泌が活発になります。

この時間にしっかり眠れるよう、寝る前のスマートフォンを控え、リラックスできる環境を整えましょう。

ストレスがたまるとホルモンバランスが乱れ、ニキビができやすくなるため、軽い運動や趣味で気分転換することも有効です。

加えて、季節や肌状態に応じてスキンケアを見直すことも忘れずに。毎日の習慣が、未来の肌をつくります。

5. まとめ

ニキビ跡がシミとして残ってしまうと、見た目の悩みだけでなく、気持ちまで沈んでしまうこともあります。

しかし、その仕組みや種類を理解し、日々のケアや医療の力を適切に取り入れることで、肌は変えられます。

まずは、自宅でできる保湿や洗顔の見直しから始めてみましょう。そして、改善が難しいと感じたときには、はやめに専門的な診察を受けることも検討しましょう。

えいご皮フ科では、ニキビ跡やシミの悩みに寄り添い、一人ひとりの肌状態に合わせた治療やアドバイスを行っています。

「もう治らないかも」とあきらめる前に、できることはたくさんあります。

今日のひと工夫が、数ヶ月後の肌に大きな変化をもたらすかもしれません。

肌の悩みを減らし、自分らしい素肌に近づくために、できることから少しずつ始めていきましょう。

毎日の少しの意識が、未来の肌を変えていきます。

今日からできるケアを始めて、明るく健やかな肌を目指しましょう。