• TOP
  • コラム
  • ダーマペンでシミは濃くなる?治療の効果とシミを悪化させないための対策について解説!

ダーマペンでシミは濃くなる?治療の効果とシミを悪化させないための対策について解説!

2025/05/20

「ダーマペンでシミが濃くなる」という噂は本当なのでしょうか?

ダーマペンはターンオーバーを促し、ニキビ跡や毛穴の開き、小じわ、くすみの改善が期待できる治療法ですが、誤った方法ではシミができたり濃くなることがあります。

正しい施術方法やアフターケアを知り、安全に肌改善するためのポイントを紹介します。

1. 「ダーマペンでシミは濃くなる」という噂は本当?

ダーマペンは、ターンオーバーを促しニキビ跡や毛穴の開き、小じわ、くすみが期待できる施術として人気があります。

ただし、一部では「シミができた・濃くなった」と感じる人もいます。これには一時的な肌の反応による場合と、本当にシミができたり悪化している場合があります。

1-1. 施術後に一時的にできる「かさぶた」がシミに見えているケースがある

ダーマペンは非常に細い針を使い、肌の表面に小さな傷をつけて再生を促す施術です。

施術後、肌が回復する過程で「かさぶた」ができることがあります。このかさぶたは黒っぽく見えるため、一時的にシミが濃くなったように感じるかもしれません。

しかし、かさぶたは自然に剥がれ落ち、新しい肌へと生まれ変わるため、実際にシミが増えたわけではありません。

1-2. 炎症後色素沈着(PIH)が原因でシミが濃くなっているケースがある

ダーマペンの刺激によって、肌に炎症が起こることがあります。

炎症が治まる過程で、メラノサイトが活性化し、過剰なメラニン色素が生成されることがあります。

これが炎症後色素沈着として、シミのように見えることがあります。特に、施術後の紫外線対策が不十分な場合や、肌への刺激が強い場合に起こりやすいです。

※PIH(炎症後色素沈着)は、特に色白・敏感肌の方や肝斑のある方に多く、適応を誤ると一過性ではなく長期に残存する可能性があります。

1-3. 施術後の経過によってはシミが濃くなる可能性がある

ダーマペン施術後の肌は敏感な状態になっています。このとき、適切なアフターケアをしないと、紫外線や摩擦の影響で色素沈着を引き起こし、本当にシミができたり濃くなってしまう可能性があります。特に、日焼け止めを塗らずに外出したり、肌を強くこすったりすると、メラニンが過剰に生成されてしまうことがあります。そのため、施術後は紫外線対策を徹底し、肌を優しく扱うことが大切です。

施術直後に「シミが増えた」と感じた場合は、まずはかさぶたの可能性を考え、焦らず経過を見守ることが重要です。また、色素沈着を防ぐためにも、医師の指示に従った適切なケアを行いましょう。

2. シミに対するダーマペン治療の効果

ダーマペンは、肌のターンオーバーを促進し一部メラニンの排出を助けますが、主にはニキビ跡や毛穴の開きに対して用いられる施術であるため、シミに対して積極的に推奨される治療法ではありません。

2-1. シミは紫外線などによるダメージの蓄積によって生じる

シミの主な原因は、肌を紫外線から守るために生成される色素「メラニン」です。

肌の表皮には、メラニンを生成する「メラノサイト」と呼ばれる細胞があり、紫外線を浴びると活発に働いてメラニンを作り出します。

このメラニンが肌の表面に広がることで、黒ずみやシミとして現れる仕組みです。

通常、肌は「ターンオーバー」と呼ばれる新陳代謝の働きによって、古くなった細胞が剥がれ落ち、新しい細胞へと生まれ変わります。

しかし、紫外線ダメージや加齢、生活習慣の乱れなどが原因でターンオーバーが正常に機能しなくなると、メラニンが排出されずに蓄積され、シミとして残ってしまいます。

シミを防ぐためには、紫外線対策を徹底するとともに、ターンオーバーを正常に保つためのスキンケアが重要です。

2-2. ダーマペンはシミに直接効くわけではない

ダーマペンは、髪の毛よりも細い極細針を使用し、肌に微細な穴を開けることで、自然治癒力を高める施術です。

この微細な傷を修復しようとする働きによって、肌の奥にある「線維芽細胞(せんいがさいぼう)」が活性化し、ターンオーバーが促進されます。

このダーマペンは肌質やニキビ跡を改善する治療法です。

ターンオーバーが正常に機能することで、蓄積したメラニンが排出されやすくなり、シミが徐々に薄くなっていく可能性はありますが、直接的なシミ改善効果は副次的・限定的とされています。

シミに対して積極的に推奨される治療ではありません。

シミに効果のある治療法については、次の章でご説明します。

3. ダーマペンでシミが濃くなる、悪化する原因

ダーマペンは、適切な方法で治療を行わないと肌の状態が悪化したり、シミができたり濃くなる可能性があります。

特に、治療対象の種類や施術後のケアを誤ると、逆効果となる場合があるため注意が必要です。

3-1. シミにはダーマペンよりもおすすめできる施術がある

当院ではシミの改善にダーマペンを使用しておりません。シミの改善を行う場合、ダーマペンよりもおすすめの施術があります。

シミにはいくつかの種類がありますので、それぞれに適した治療法をご紹介します。

シミの種類 主な原因 特徴 適した治療法

 

日光性黒子(老人性色素斑) 紫外線の影響 境界がはっきりとした茶色いシミ QスイッチYAGレーザー、フォトフェイシャル
炎症後色素沈着 ニキビ・傷・虫刺され・かぶれなどの炎症 炎症のあとにできる茶色~黒色の色素沈着 ピコレーザー
肝斑 ホルモンバランスの変化 左右対称にできる薄茶色のシミ ポテンツァ
そばかす(雀卵斑) 遺伝 小さな茶色い斑点が顔全体に広がる QスイッチYAGレーザー、フォトフェイシャル

この中で肝斑は刺激に非常に弱く、ダーマペンの施術によって炎症が起こると、かえってシミが悪化する可能性があります。

肝斑の治療には、低刺激で色素沈着を抑える ポテンツァ などの施術が適しているとされています。

ダーマペンでの治療が向いていないシミを見極めるためにも、施術前に専門の医師と相談することが重要です。

3-2. 施術後の紫外線対策が不十分だった

ダーマペンの施術後は、肌に微細な穴が開いた状態になっており、バリア機能が一時的に低下します。

そのため、通常よりも紫外線の影響を受けやすく、適切な対策をしないと 色素沈着が発生しやすくなる ことがあります。

PIH(炎症後色素沈着)は、特に色白・敏感肌の方や肝斑のある方に多く、適応を誤ると一過性ではなく長期に残存する可能性があります。

施術直後の肌は敏感で、わずかな紫外線でもメラニンが過剰に生成される可能性があるため、以下のような紫外線対策を徹底することが大切です。

  • 外出時は必ず日焼け止めを塗る
  • 帽子や日傘、サングラスを活用する
  • 紫外線が強い時間帯(10時〜14時)の外出を避ける
  • 長時間の屋外活動は控える

施術後の適切なケアを怠ると、ダーマペンの効果が得られないばかりか、シミができる、もしくは濃くなる原因にもなり得ます。

施術後数日は特に慎重なスキンケアを心がけましょう。

3-3. 適切な間隔をあけずに施術を受けている

ダーマペンは、 1回で劇的な変化が出る施術ではありません

一般的に、3〜4週間の間隔をあけながら、5〜8回程度の施術を受けることで徐々に肌が生まれ変わっていきます。

しかし、 早く効果を出そうとして短期間に何度も施術を受けると、肌への負担が大きくなり、逆に肌悩みが悪化するリスクがあります

これは、肌の回復が追いつかず、炎症が長引いて肌荒れや色素沈着を引き起こすためです。

適切な施術間隔を守りながら、無理のないスケジュールで治療を進めることが大切です。

医師と相談しながら、最適な頻度で施術を受けるようにしましょう。

3-4. ダーマペンの針を必要以上に深く刺してしまった

ダーマペンは、 施術する部位や目的に応じて針の深さを調整する ことが重要です。

しかし、早く肌悩みを改善したいからといって、 必要以上に深く針を刺すと、かえって肌荒れを起こしたりシミができてしまう可能性があります

  • 深すぎる施術が問題となる理由
     → 針が深く刺さることで、メラノサイト(メラニンを作る細胞)が過剰に刺激され、メラニン生成が活発になってしまう。
    → 結果として色素沈着が起こり、シミができる可能性がある。

このようなトラブルは、経験の少ない施術者によって引き起こされることが多いため、信頼できるクリニックを選ぶことが重要です。

施術前には、施術者の経験や技術、クリニックの実績をしっかり確認し、適切な方法で施術を受けるようにしましょう。

4. ダーマペン治療で気をつけるポイント

ダーマペンは適切に施術すればターンオーバーを促し、肌の改善が期待できる施術ですが、誤った方法で行うと肌荒れやシミを引き起こす可能性もあります。

そのため、術後の紫外線対策や施術の頻度に気をつけながら、慎重に治療を進めることが大切です。

4-1. 医療機関で施術を受ける

近年、セルフで行うマイクロニードル機器が市販されていますが、自己判断で使用するのは危険です。

ダーマペンは肌に直接針を刺す施術であり、誤った方法で行うと 感染症のリスク炎症の悪化 を招く可能性があります。

そのため、 信頼できる医療機関で施術を受けることが重要 です。

また、ダーマペンは皮膚の内部に直接働きかけるため、 適切な衛生管理が必要 になります。

クリニックでは 消毒の徹底や、使い捨て針の使用 など、感染リスクを抑える対策が行われています。

安全性を確保するためにも、セルフではなく医療機関での施術を選びましょう。

4-2. 実績が豊富なクリニックを選ぶ

ダーマペンの施術では、 肌の状態を正しく見極めることが重要です。

例えば、 肝斑の場合、誤った施術によって悪化することがあるため、 経験の浅い医師やスタッフが行うと、逆にシミができたり濃くなるリスクがあります

そのため、 ダーマペンの施術経験が豊富なクリニック を選ぶことが大切です。

具体的には、以下のような点をチェックするとよいでしょう。

  • 医師がシミと肝斑を正しく見分けられる知識を持っているか
  • 針の長さを適切に調整できる施術者がいるか
  • 口コミや実績が豊富なクリニックか
  • カウンセリングの際に丁寧な説明があるか
  • 予約の取りやすさ、立地、通いやすさ

ダーマペンの効果を十分に得るためには、 信頼できるクリニックを選ぶことが大前提です。

安さだけで決めるのではなく、実績のあるクリニックでの施術を検討しましょう。

4-3. 施術後の紫外線対策をしっかりと行う

ダーマペンの施術後は、 肌が非常に敏感な状態 になっています。

この時期に紫外線を浴びると、 色素沈着が発生しやすくなり、シミの原因 になるため、紫外線対策を徹底することが重要です。

紫外線対策のポイント

  • 日傘や帽子、サングラスを活用する
  • 日焼け止めクリーム(SPF50+/PA++++)を使用する
  • 紫外線が強い時間帯(10時~14時)の外出を避ける
  • 室内でも紫外線を浴びる可能性があるため、カーテンやUVカットフィルムを利用する

ただし、 施術後12時間は日焼け止めの使用が推奨されていない ため、その間は 帽子や日傘、サングラス などを活用するのが効果的です。

ダウンタイム中の適切なケアを行うことで、ダーマペンの効果を最大限に引き出し、シミを防ぐことができます。

5. シミに効果的とされる治療

ダーマペンを使うことでシミの改善に役立つ可能性もありますが、当院ではシミの治療には別の治療法を用いています。

ここでは、シミ治療に効果的とされる QスイッチYAGレーザー、フォトフェイシャル、ピコレーザー について解説します。

治療法 特徴 効果が期待できるシミ ダウンタイム
QスイッチYAGレーザー 皮膚の奥深くまでレーザーが届き、色素を破壊する 老人性色素斑(シミ)、肝斑、そばかす 少なめ(軽い赤み)
フォトフェイシャル(IPL) 光がメラニンやコラーゲンに作用し、肌全体を若返らせる 老人性色素斑(シミ)、小じわ・肌のハリ・たるみ・そばかす、赤ら顔 ほぼなし(施術後すぐメイク可能)
ピコレーザー 超短時間のレーザー照射で肌への負担が少ない 肝斑、老人性色素斑(シミ)、そばかす 少なめ(軽い赤み)

5-1. QスイッチYAGレーザー

QスイッチYAGレーザー は、 シミ、そばかす、肝斑の治療に用いられるレーザー治療 です。
このレーザーは、皮膚の奥深くにあるメラニン色素を破壊することができ、 従来のレーザーでは治療が難しいとされていた肝斑にも有効 とされています。

QスイッチYAGレーザーの特徴

  • 深い層にあるシミや色素沈着をターゲットにできる
  • 肝斑やそばかすの治療に適している
  • 痛みが少なく、ダウンタイムが短い(かさぶたができにくい)
  • 照射後の色素沈着リスクが比較的低い

長期的に治療を続けやすい方法のひとつであり、レーザー治療の中でも肌への負担が少ない施術として人気があります。

5-2. フォトフェイシャル

フォトフェイシャル(IPL) は、 IPL(インテンス・パルス・ライト) と呼ばれる特殊な光を使い、肌全体を若返らせる治療法です。

シミだけでなく、 肌のハリ、小じわ、毛穴の開き、くすみ、赤ら顔などの複数の肌トラブルに対応できる のが特徴です。

フォトフェイシャルの特徴

  • IPLがメラニンに反応し、シミを薄くする
  • 肌のコラーゲン生成を促進し、ハリやツヤがアップ
  • 痛みが少なく、施術後のダウンタイムが短い
  • 治療後すぐにメイクが可能
  • シミ以外の肌悩み(くすみや赤ら顔など)にも効果的

ただし、 フォトフェイシャルは肝斑の治療には向かない とされています。

肝斑を持っている場合、適切な治療を選ぶことが大切です。

5-3. ピコレーザー

ピコレーザー は、 従来のレーザーよりも短い照射時間(パルス幅)を持つ最新のレーザー治療 です。

従来のレーザーでは照射時に発生する熱ダメージが肌に負担をかけていましたが、ピコレーザーは「ピコ秒(1兆分の1秒)」単位で照射するため、周囲の皮膚への負担が少ないのが特徴です。

ピコレーザーの特徴

  • 炎症後色素沈着(PIH)を起こしにくい
  • 痛みが少なく、ダメージを抑えながら治療できる
  • シミの改善だけでなく、肝斑治療にも有効
  • 治療回数が少なく済むため、早い段階で効果を実感しやすい

肝斑を含む幅広いシミに対応可能な治療法ですが、照射の強さや回数の調整が重要となるため、経験豊富なクリニックでの施術が推奨されます。

6. まとめ

ダーマペンは肌のターンオーバーを促進し、ニキビ跡や毛穴の開き、小じわ、くすみの改善が期待できる施術です。シミに対して積極的に用いられる治療ではありません

当院ではシミの治療にはQスイッチYAGレーザー、フォトフェイシャル、ピコレーザーなど別の方法を用いて治療しています。

ダーマペン後にシミが濃く見える主な原因は、施術後にできる「かさぶた」です。

これは一時的なもので、自然に剥がれ落ちるため、焦る必要はありません。

ただし、 施術後の紫外線対策が不十分だった場合や、適切な施術間隔を守らなかった場合、シミができたり濃くなる可能性があるため注意が必要です。

また、 肝斑など、ダーマペンが適していないシミもあるため、事前に医師に相談することが重要です。

肌の治療は一度の施術で劇的な変化を期待するのではなく、適切な施術とアフターケアを継続することが重要です。

より効果的な治療を受けるためにも、信頼できるクリニックで医師と相談しながら、自分に合った方法を選択しましょう。