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頭皮や顔に赤み・かゆみ…脂漏性皮膚炎 (しろうせいひふえん) の可能性と対処法

2025/09/02

脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は、頭皮や顔など皮脂の多い部位に赤み・かゆみ・フケをくり返す慢性的な皮膚疾患です。

悪化しやすい生活習慣、部位別の具体的な治療法、再発を防ぐセルフケアのポイントを解説します。

原因と向き合いながら、症状を安定させるための実践的な知識を身につけましょう。

Contents

1 脂漏性皮膚炎とは何か?基本から知ろう

脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は、皮脂の多い部分に赤みやかゆみ、フケのような粉が出る皮膚の炎症性疾患です。

とくに成人の頭皮や顔に多く見られますが、乳児期にも発症することがあります。

慢性的にくり返すことが多く、放置してしまうと日常生活に大きなストレスを感じる方も少なくありません。

「ただの乾燥かも」「ストレスのせい?」と思っていたら実は脂漏性皮膚炎だった、というケースも多く、正しい知識をもつことが大切です。

1-1 脂漏性皮膚炎ってどんな病気?

脂漏性皮膚炎は、皮膚に常在する「マラセチア菌」という真菌(カビの一種)と皮脂が関係する病気です。

この菌は誰の肌にもいる存在ですが、皮脂が多い環境で過剰に増えると、炎症を引き起こします。

赤みやかゆみをともない、頭皮では大量のフケ、顔では小鼻の周囲や眉間のかさつきなどが目立ちます。

ひどくなると湿疹のようにジュクジュクしたり、かさぶたになることもあります。

1-2 どこにできるの?(頭皮・顔・胸・耳の後ろなど)

脂漏性皮膚炎が出やすいのは、皮脂の分泌がさかんな部位です。

もっとも多いのは頭皮で、「シャンプーをしてもすぐかゆくなる」「フケが止まらない」という相談が多く寄せられます。

また、顔では鼻のわき・眉の間・まぶた・耳のうしろに出やすく、赤みや粉ふきが特徴的です。

胸や背中の中心部にも出ることがあり、男性ではひげの中にも症状が出ることがあります。

乳児の場合は頭皮のほか、眉毛や耳のまわりに黄色っぽいかさぶたができることがあり、「乳児脂漏性湿疹」と呼ばれます。

1-3 よくある勘違いと正しい理解

脂漏性皮膚炎は「汚れが原因」と誤解されやすい病気です。

しかし、実際には過剰な洗浄やゴシゴシこすることが悪化の原因になることもあります。

また、「頭皮湿疹」と混同されることもありますが、原因や対処法は異なります。

ドラッグストアで販売されているフケ用シャンプーが合わない場合もあり、自己判断でのケアは注意が必要です。

自分の症状が「ただの乾燥」なのか「皮膚炎」なのか、まずは専門医に相談することをおすすめします。

2 なぜ起きる?脂漏性皮膚炎の主な原因

脂漏性皮膚炎がなぜ起きるのかは、多くの患者さんが気になるポイントです。

この疾患はただの「皮脂の出すぎ」ではありません。

マラセチア菌という常在菌と、個人の体質や生活習慣が複雑に関係しています。

2-1 マラセチア菌と皮脂の関係

脂漏性皮膚炎の中心的な原因といえるのが「マラセチア菌」という真菌(カビ)です。

この菌は誰の肌にも存在しており、ふだんは悪さをしません。

しかし、皮脂が過剰になるとその脂をエサにして異常繁殖し、皮膚に炎症を起こす物質を出すようになります。

とくに頭皮や顔など皮脂の多い部分は、菌が増えやすい環境です。

皮脂分泌の多い方や整髪料を多く使う方に、頭皮の脂漏性皮膚炎がよく見られます。

マラセチア菌の増殖を防ぐためには、皮脂のコントロールが重要です。

ただし、洗いすぎて乾燥させると逆に皮脂分泌が増えるため、正しい洗浄バランスを保つことが大切です。

2-2 ストレス・睡眠不足・生活習慣の影響

脂漏性皮膚炎の発症や悪化には、ストレスや睡眠の質も深く関わっています。

ストレスがたまると自律神経のバランスが乱れ、皮脂腺の働きにも影響を与えます。

また、ジャンクフード中心の食生活や寝不足も皮脂の増加につながります。

皮膚の調子は、からだ全体の健康状態のバロメーターともいえるのです。

2-3 遺伝やホルモンとのつながりも

脂漏性皮膚炎には、体質的な要素も少なからずあります。

たとえば、家族に同じような皮膚トラブルがある方や、もともと皮脂が多い体質の方は発症しやすい傾向があります。

また、男性ホルモンの影響で皮脂分泌が活発になる思春期や、男性に多くみられるのも特徴のひとつです。

さらに、産後のホルモン変化や閉経期のバランスの崩れによって、女性でも一時的に症状が強くなるケースがあります。

これらの体質的要因は完全に避けられるものではありませんが、肌の状態をよく観察しながら適切なケアを行うことで、症状の悪化は防げます。

「脂漏性皮膚炎は体質だから仕方ない」とあきらめずに、できるところから生活を整えてみましょう。

3 見逃さないで!代表的な症状とは

脂漏性皮膚炎は、軽いかゆみや赤みから始まり、徐々に広がっていくケースが多い皮膚のトラブルです。

とくに初期症状は「乾燥かな?」「フケかな?」と見過ごされやすく、気づいたときには範囲が広がっていることもあります。

ここでは脂漏性皮膚炎の代表的な症状や、部位ごとの違い、放置した場合のリスクについて詳しく解説します。

3-1 赤み、フケ、かゆみ、ただれの特徴

脂漏性皮膚炎の主な症状には以下のようなものがあります。

  • 赤み:皮脂の多い部分に赤くて平らな炎症が起こります。特に小鼻や眉間、頭皮などによく見られます。
  • フケ:白っぽく乾いたフケから、黄色みがかった湿ったフケまで、症状によって異なります。
  • かゆみ:軽いかゆみから強いかゆみまで幅があり、掻きすぎると悪化します。
  • ただれ・かさぶた:慢性化すると、皮膚がジュクジュクしたり、かさぶたになることもあります。

最初は耳のうしろに少し赤みがあるだけだったのに、かゆくて掻いているうちに、頭皮全体に広がってしまうことはよくあります。

症状が広がる前の早期発見が大切です。

3-2 頭皮と顔、それぞれの症状の違い

脂漏性皮膚炎は頭皮と顔によく現れますが、それぞれの部位で少しずつ症状の出かたが異なります。

  • 頭皮:赤みとかゆみに加えて、フケが多く出るのが特徴です。「洗っても洗ってもフケが止まらない」「頭皮が脂っぽいのに乾燥しているようにも感じる」といった声がよく聞かれます。
  • 顔(特に小鼻・眉間・まぶた):赤みや粉ふき、かゆみが出ます。女性ではファンデーションがうまくのらず、見た目にも影響が出やすいため、早めのケアが必要です。

頭皮中心に出る方と顔に強く出る方で治療のアプローチを変えることもあります。

3-3 放置するとどうなる?悪化のリスク

脂漏性皮膚炎は、自然に治ることが少ない慢性的な疾患です。放置しておくと、次のような問題が起こることがあります。

  • 炎症が広がる:頭皮から顔、耳の後ろ、胸元へと広がるケースもあります。
  • 色素沈着やかさぶた:慢性的な炎症により、皮膚に色素沈着が残ることがあります。
  • 感染のリスク:掻き壊すことで細菌感染を起こし、湿疹が悪化するおそれもあります。

また、乳児の場合も「すぐ治るから大丈夫」と思いがちですが、かさぶたが厚くなると肌への刺激が強まり、治りが遅くなることがあります。

基礎疾患(HIV、糖尿病、パーキンソン病など)が隠れていることもごく稀にあるため、難治例は基礎疾患の有無も医師が判断が必要です。

4 治すには?治療法と正しい対処法

脂漏性皮膚炎は、放っておくと慢性化しやすい皮膚の病気です。

ただし、適切な薬と日常ケアを続けることで、症状は大きく改善します。

ここでは、皮膚科での治療から自宅での対処法を紹介します。

4-1 皮膚科で処方される主な薬とその使い分け

皮膚科での治療の中心は、「外用薬」による炎症のコントロールです。

症状の強さや出ている部位によって薬を使い分けることが一般的です。

【よく使われる外用薬の種類】

薬の種類 主な効果 使用される部位例
抗真菌薬 マラセチア菌の増殖を抑える 頭皮、小鼻、眉間など
ステロイド外用薬 炎症・赤み・かゆみを抑える 頭皮、耳の後ろ、胸元など
カルシニューリン阻害薬 皮膚の薄い部位に使いやすく、長期使用しやすい まぶた、口の周り、首など

内服薬が使われることは少ないですが、かゆみがひどい場合やストレスによる悪化が見られる際には、抗ヒスタミン薬やビタミン剤、漢方薬(防已黄耆湯)を併用することもあります。

4-2 市販薬と皮膚科の違い

「市販のフケ用シャンプーを使っているけど効かない」と来院される方が多くいらっしゃいます。

市販薬にも一時的な症状緩和は期待できますが、皮膚科で処方される薬は、原因菌に直接作用する成分が濃度や処方の工夫をもって配合されており、より確実な改善が期待できます。

たとえば、市販のシャンプーではマラセチア菌に対する効果が不十分なケースもあり、治るまでに時間がかかることもあります。

自己判断で長く使用すると、逆に肌が荒れる原因になることもあるため注意が必要です。

4-3 自宅でできるセルフケアの工夫

治療と並行して、自宅でのスキンケアもとても重要です。薬だけに頼らず、生活の中で炎症を起こしにくい環境を整えることが改善への近道となります。

【自宅で意識したいポイント】

  • 洗いすぎに注意:頭皮や顔を1日1~2回、ぬるま湯でやさしく洗いましょう。ゴシゴシこするのはNGです。
  • 低刺激のシャンプーや洗顔料を選ぶ:敏感肌用の製品がおすすめです。
  • しっかり乾かす:洗髪後はすぐに乾かすことで、菌の繁殖を防げます。
  • 整髪料や化粧品の見直し:油分の多いものや落ちにくいものは控えましょう。

脂漏性皮膚炎の治療は、薬と生活習慣の両方を見直すことが重要です。

「市販薬が効かない」「何を塗っても良くならない」と感じたら、医師に相談しましょう。

5 【部位別】あなたの悩みに合わせたケア方法

脂漏性皮膚炎は、出る部位によって症状や対処法が大きく異なります。

たとえば、頭皮と顔では洗い方も使う薬も変わりますし、赤ちゃんと大人ではそもそも肌の性質が違います。

ここでは、頭皮・顔・赤ちゃんの3つのケースに分けて、皮膚科医としておすすめするケアのポイントを具体的にご紹介します。

5‑1 頭皮にできた場合の対応(シャンプー・乾燥・整髪料)

頭皮に出る脂漏性皮膚炎は、「フケが多い」「かゆい」「頭皮が赤くなっている」という症状が多く、外見の印象にも影響します。頭皮への負担を減らすために次のようなケアを指導しています。

  • シャンプー選び:抗真菌成分(ケトコナゾールなど)を含んだシャンプーを週2〜3回使い、他の日は低刺激のシャンプーで洗うのが理想です。
  • 洗い方:指の腹でやさしくマッサージするように洗い、十分にすすぎましょう。爪を立てたり、強くこすったりすると悪化の原因になります。
  • 整髪料:ワックスやスプレーをつけると、毛穴に皮脂や菌がたまりやすくなります。できるだけ控え、使った日は必ず丁寧に洗い流しましょう。

5‑2 顔・眉・鼻の周りにできたときの工夫

顔に出る脂漏性皮膚炎は、見た目の悩みにつながりやすく、精神的なストレスを感じる方も多いです。

とくに眉や小鼻のまわり、まぶたなどは皮膚が薄く、刺激を受けやすい部位です。

  • 洗顔料の見直し:強い洗浄力のあるものではなく、保湿成分入りのやさしい洗顔料を使いましょう。泡で包むように洗うのがコツです。
  • スキンケア:化粧水・乳液は無香料・アルコールフリーで、低刺激のものを選んでください。肌が乾燥しすぎると、逆に皮脂分泌が増えて悪化することがあります。
  • 薬の使い方:顔は皮膚がデリケートなため、ステロイドの長期使用に不安を感じる方もいます。その場合は、カルシニューリン阻害薬など副作用の少ない外用薬を、症状や部位にあわせて使い分けることが大切です。

5‑3 赤ちゃんの脂漏性皮膚炎(乳児脂漏性湿疹)の特徴とケア方法

乳児の脂漏性皮膚炎は「乳児脂漏性湿疹」とも呼ばれ、生後1〜3か月ごろに多く見られます。

黄色っぽいかさぶたや、脂っぽいフケが頭や眉毛、耳のまわりなどに現れます。

原因はホルモンの影響で一時的に皮脂が増えるためで、成長とともに自然に落ち着くことが多いです。

  • 入浴時のケア:ベビー用の石けんをしっかり泡立ててやさしく洗い、ぬるめのお湯ですすぎ残しがないように洗い流します。
  • かさぶたの対処:無理にはがさず、オリーブオイルやベビーオイルを塗ってふやかし、やさしく洗い流す方法が安全です。
  • 皮膚科の受診:赤みやかゆみが強くなってきた場合は、迷わず皮膚科を受診しましょう。乳児向けに調整された外用薬を使うことで、悪化を防げます。

「自然に治るのか」「薬を使っても大丈夫なのか」と不安に感じる保護者の方は少なくありません。

赤ちゃんの肌はとても繊細だからこそ、専門的な視点で丁寧に判断することが大切です。

6 毎日の食事と生活習慣がカギになる

脂漏性皮膚炎の治療には、薬やスキンケアだけでなく、毎日の食事や生活習慣も大きく関わっています。

とくに皮脂の分泌をコントロールし、炎症を抑えるためには「体の内側」からのケアが欠かせません。

ここでは、控えたい食品や肌にやさしい食生活、そしてストレスや睡眠の整え方について、実践しやすいポイントをご紹介します。

6‑1 食べてはいけないもの・控えたい食品

脂漏性皮膚炎の方にとって、皮脂の分泌を過剰に促す食品は悪化の原因となることがあります。

以下のような食品は控えめにすると良いでしょう。

  • 揚げものやスナック菓子など脂質の多いもの
  • チョコレートやケーキなど糖分の多いおやつ
  • アルコールや辛い刺激物

脂漏性皮膚炎において、食事の見直しはあくまで補助的なケアですが、皮脂分泌のバランスを整えるうえで重要な要素です。

たとえば、脂質や糖分の多い食品を控えた場合、早い人では2〜4週間ほどで赤みやかゆみの改善を実感することがあります。

ただし、個人差が大きく、肌質・生活習慣・治療の有無などにも左右されます。

実際の臨床でも「甘いものや揚げ物を減らして1か月ほどでフケが落ち着いた」という声はよく聞かれます。

一方で、食事だけでコントロールしきれないケースも多いため、医師の治療と並行して取り組むことが大切です。

6‑2 肌にやさしい食生活のヒント

炎症を抑えるには、ビタミンやミネラルが豊富な食材を意識的にとることが大切です。

以下のような栄養素を含む食品をバランスよく取り入れましょう。

栄養素 主なはたらき 含まれる食品例
ビタミンB群 皮脂バランスの調整 レバー、卵、納豆など
ビタミンC 肌の修復・抗酸化作用 ブロッコリー、キウイ、いちご
亜鉛 皮膚の免疫力・再生を助ける 牡蠣、豚肉、かぼちゃの種など
食物繊維 腸内環境を整える 野菜、豆類、玄米など

一汁三菜を基本にした和食中心の食事は、栄養バランスが整いやすくおすすめです。

6‑3 ストレス・睡眠の整え方と再発予防の工夫

睡眠不足やストレスは、自律神経のバランスを乱し、皮脂の分泌を促進させる要因になります。

症状がなかなか改善しない方は、生活リズムの見直しも視野に入れてみましょう。

  • 睡眠時間を毎日6〜8時間確保する
  • スマートフォンやパソコンの使用は就寝1時間前までに控える
  • 休日に予定を詰めすぎず、心の休息を意識する

7 悪化・再発させないためにできること

脂漏性皮膚炎は一度おさまっても、環境や体調の変化によって再発しやすい病気です。

だからこそ、「良くなったあと」の過ごし方がとても重要です。

ここでは、季節ごとの悪化パターン、日常のケアの見直し方、そして症状と長くつきあっていくための心構えについてご紹介します。

7‑1 季節による悪化のパターンと対策

脂漏性皮膚炎は、季節の変わり目や湿度の高い時期に悪化しやすい傾向があります。

とくに春と秋は温度や湿度が急に変化するため、肌のバリア機能が低下し、炎症が出やすくなります。

一方、夏は汗と皮脂が増えて菌の繁殖が活発になり、冬は乾燥によるバリア機能の低下が影響します。

「春になると顔が赤くなる」「冬はフケが増える」といった相談が毎年多く寄せられます。

【季節ごとの対策例】

  • 春秋:急な気温変化に備え、刺激の少ない保湿剤を使う
  • 夏:汗をこまめにふき取り、シャンプーや洗顔を見直す
  • 冬:乾燥を防ぐために加湿器の使用や保湿の徹底を意識する

7‑2 定期的なスキンケア・シャンプーの見直し

「一度治ったから」とケアをやめてしまうと、症状はぶり返しやすくなります。

特にシャンプーや洗顔料、保湿剤は、定期的に見直すことが大切です。

【見直しのポイント】

  • 成分表示をチェックし、刺激の強い成分(アルコール、香料など)を避ける
  • 肌質や季節の変化に合わせて、洗浄力や保湿力のバランスを調整する
  • 使用後の肌の変化を観察し、「赤み」「かゆみ」が出たら早めに中止する

7‑3 慢性化しないための考え方と向き合い方

脂漏性皮膚炎は、完治するというより「上手につきあう」ことが大切な病気です。

症状があることを悪く捉えすぎず、早めに気づいて対応することが、長期的な安定につながります。

【意識したい心構え】

  • 症状が軽いうちに対応する
  • 体調・食事・睡眠などを振り返る習慣をつける
  • 自分の肌のリズムを知る

再発を恐れるより、「調子が悪いときの対応方法を知っている」ことが、脂漏性皮膚炎と上手につきあっていくポイントです。

8. よくある質問

Q1. 脂漏性湿疹はどうやって治すの?

A.脂漏性湿疹は、主に「マラセチア菌」という常在菌の増殖と皮脂のバランスの乱れによって起こります。

治療では抗真菌薬や炎症をおさえる外用薬(ステロイドなど)を使いながら、皮膚を清潔に保ちます。

市販薬だけでは改善しにくいため、皮膚科で適切な診断と治療を受けることが重要です。

生活習慣の見直しも再発予防に効果的です。


Q2. ろうし性湿疹とは?

A.「ろうし性湿疹」とは、脂漏性湿疹(脂漏性皮膚炎)を別の読み方で表したものです。

「脂(し)漏(ろう)性(せい)」を音読みで「ろうしせい」と読む場合があるため、まれに混乱を招くことがありますが、意味は同じです。

皮脂分泌が多い部分に炎症が起こる湿疹で、主に頭皮や顔、胸などに赤みやかゆみが出ます。


Q3. ししせいしっしんとは?

A. 「ししせいしっしん」は「脂(し)漏(ろう)性(せい)湿疹(しっしん)」を一部誤って読んでしまった表現です。

正しくは「しろうせいしっしん」と読みます。


Q4. 脂漏性湿疹の読み方は?

A. 「脂漏性湿疹」は「しろうせいしっしん」と読みます。

この病気は皮脂の分泌が多い部位に起こる湿疹のことで、頭皮や顔に赤みやフケ、かゆみなどが出るのが特徴です。

症状が長引く場合は早めに皮膚科を受診しましょう。


Q5. マラセチア菌の殺菌方法は?

A. マラセチア菌を完全に「殺菌」する必要はなく、増えすぎを抑えることが大切です。

抗真菌成分(ケトコナゾールやミコナゾールなど)を含むシャンプーや外用薬が有効です。

洗いすぎや乾燥は逆効果になることもあるため、適切な頻度でやさしく洗うことがポイントです。

症状が強い場合は医師の指導のもと治療を進めましょう。


Q6. 脂漏性皮膚炎は何人に1人?

A. 脂漏性皮膚炎は、成人の約3~5%に見られるとされ、決して珍しい病気ではありません。

とくに男性や皮脂分泌が多い方に多く見られます。

乳児期にも一時的に出ることがありますが、多くは自然におさまります。

慢性化しやすいため、繰り返す症状に悩んでいる方は、適切なケアと医師の診断が大切です。

まとめ

脂漏性皮膚炎は、体質や生活習慣の影響を受けやすく、放置すると慢性化や再発をくり返すことがあります。

しかし、日々のケアを見直し、症状に合った治療を受けることで、症状は大きく落ち着きます。

自己流の対処で悩み続けるより、早い段階で皮膚科に相談することが改善への近道です。