なかなか、治らない赤ニキビ。 赤ニキビの原因や治し方を解説します。
2024/09/30
一度できてしまうと、いつまでも治らない赤ニキビ。しかも目立ってしまうので気になりますよね。
赤ニキビは症状が進行してしまっているニキビです。きれいに治すためには何をしたらいいのか。
わかりやすく解説していきます。
Contents
赤ニキビとは?
白ニキビ、黒ニキビより状態が進行して、赤く盛り上がった状態のニキビです。
痛みやかゆみを感じる場合もあります。
常在菌のアクネ桿菌が過剰に増殖して炎症を起こしています。
放置をすることで炎症はさらに進行してしまいますので、重症化する前に治療をすることが大切です。
ニキビの種類
ニキビには様々な種類があり種類に応じて適切な治療法があります。
今出来ているニキビの種類を知る事が重要です。
まずはニキビの種類について解説します。
白ニキビ
ニキビの初期段階で毛穴内に溜まった皮脂や角質などの老廃物がポツンとした小さな白い塊としてみえる状態。
なかには肉眼では見えない小さなサイズの白ニキビもあります。
毛穴表面は閉じていますが、皮膚の内側ではアクネ桿菌の増加が始まります。
黒ニキビ
白ニキビの毛穴が開き、空気と触れることで酸化した皮脂や角質などによってニキビの先端が黒く見える状態。
赤ニキビ
毛穴の中で皮脂や角質を栄養にアクネ桿菌が増殖し炎症を起こした状態。
炎症を起こしたニキビは赤く見えます。
黄ニキビ
赤ニキビが悪化しさらに炎症が激しくなった状態。痛みを伴う場合があります。
菌の死骸が膿となりニキビの先端に黄色い膿が見えます。
真皮層まで炎症が進んでしまったニキビの最終段階です。
赤ニキビの原因
肌表面への刺激
外部からの刺激を受けやすい場所に形成されます。
赤ニキビが気になるからと言って自分で傷をつけ、潰そうとしてはいけません。
皮膚は刺激を受けると、保護するために角質(表皮の垢)を固く厚くします。
これによって毛穴はさらに収縮してしまい、詰まりやすくなり、アクネ桿菌の繁殖する原因になってしまいます。
肝機能の低下
肝機能が低下すると、特定の部位にニキビができやすくなるといわれています。
肝機能が低下すると、無毒化されなかった老廃物が毛穴に詰まります。毛穴が詰まるとアクネ桿菌が増殖して、ニキビを形成したり、悪化したりします。
肝機能が低下する原因となるのは、飲酒、食生活の偏り、生活習慣の乱れ、睡眠不足やストレス過多など、生活習慣の乱れなどが挙げられます。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスが乱れている思春期や生理前などはニキビができやすい時期です。
女性ホルモンである黄体ホルモンや、男性ホルモンであるテストステロンは皮脂の分泌促進することが知られています。
皮脂が過剰に分泌されると、毛穴に詰まって、ニキビを形成します。
乾燥
肌表面は水分と油分で覆われていますが、肌の水分が蒸発して乾燥を感じると肌を守るために油分である皮脂を過剰に分泌させます。
その結果、余分な皮脂が毛穴に詰まってニキビを形成します。
洗顔をした後や紫外線を浴びた肌は乾燥しやすいタイミングになっています。
乾燥のタイミングを理解して、正しい保湿をする必要があります。
紫外線による刺激
紫外線を浴びると、皮膚のバリア機能は低下してしまいます。
バリア機能が低下すると、乾燥をかんじるだけではなく肌を守るために角質を増やすため、毛穴が締まり閉じてしまいます。
毛穴が閉じてしまうと、ニキビが形成されやすくなってしまいます。しっかりと紫外線対策をとることはニキビを悪化させないポイントになります。
やっちゃだめ!お家でしてはいけないNG行為
メイクでニキビを隠す
メイクで隠したニキビは目立ちにくくはなりますが、症状は悪化を続けます。
患部を刺激しないことを心がけて肌を清潔に保つようにしましょう。どうしてもメイクが必要な時は、患部をさけるようにするか、低刺激性の化粧品を使うようにしましょう。
日焼け対策や保湿は忘れずに行ってください。
過度なスキンケア
清潔を保たなければ、と過度に洗顔を繰り返すことは逆にしてはいけない行為です。
洗顔は一日2回で大丈夫です。肌質にあった洗顔料を用いて、肌の余分な汚れや皮脂を洗い出し、洗顔後に化粧水・乳液などで肌を乾燥から守るようにしましょう。
正しい洗顔の方法を知りたい場合は、動画にまとめてありますので洗い方を確認してみましょう。
触る・潰す
手で触る、潰すといった行為は多くの方が思わずやってしまった、というご経験あるのではないでしょうか。
けれどこれはしてはいけない行為です。手には1㎠あたり、40,000~50,000個もの菌が付着しているといわれています。
そこからまた別の菌に感染して悪化したり、炎症がひどくなったり痕が残ったりしてしまうこともあります。
また髪の毛が触れることで、その部分が刺激され、ニキビが悪化してしまうこともあります。
赤ニキビの状態はなるべく触れず、刺激を与えないようそっとしておきましょう。
勝負は一晩!自宅でできるニキビの応急処置
まずは触らないようにしましょう
気になる赤ニキビも炎症を進行させてはいけません。
そのため、なるべく触らないようにするのがよいでしょう。
また、ニキビができて敏感になっている部分を細菌や紫外線などの外部刺激から保護する目的で、応急的にニキビパッチを使用するのもよいでしょう。
抗炎症薬を塗りましょう。
皮膚科で出される外用薬ほどではありませんが、市販薬にも赤ニキビの炎症を抑えてくれる効果のあるものがあります。
受診をする前に対策をされたい方は、応急処置としてそのような外用薬を利用されるのもよいでしょう。
しかし、医師が外用薬を処方するときは、受診された方の肌質、肌タイプ、ニキビの状態なども参考にして選択していきます。
ご自身の肌に合わない外用薬を使用すると、刺激やかぶれの症状が出ることがありますのでご注意ください。
市販薬を選ぶとき、含まれているとよいとされている成分を上げていきます。
すべての成分が含まれているものはありませんので、効果によって選んでいくようにしましょう。
- オキシテトラサイクリン塩酸塩 (抗生物質)
- ヒドロコルチゾン (ステロイドの外用薬)
- イソプロフェンピコノール/スタデルム (非ステロイド性の消炎鎮痛外用薬)
- イソプロピルメチルフェノール (アクネ菌殺菌効果)
- イオウ(角質軟化・脱脂、殺菌・殺虫作用)
- レゾルシン (殺菌消毒)
- グリチルリチン酸、グリチルレチン酸 (非ステロイド性抗炎症)
- トコフェロール酢酸エステル/ビタミンE誘導体 (血行促進、患部修復促進)
- 酸化亜鉛 (患部保護、抗炎症、浸出液を吸収)
- クロルヘキシジングルコン酸塩 (殺菌、消毒薬)
赤ニキビをきれいに治すには受診をお勧めします。
皮膚科で処方する抗生物質は医師による処方が必要なものです。
市販薬と同じ成分のものもありますが、効果がより期待されるものです。
ご自身の肌質や肌タイプなどを診ながら、内服薬・外用薬・漢方薬を処方されます。
赤ニキビは進行してしまったニキビは、痕が残ってしまう可能性があります。
特効薬などもありませんので、きれいに治療を進めるためにはなるべく早く受診をするようにしましょう。
赤ニキビの治し方は大きく分けて3種類
赤ニキビは炎症進行中!まずは皮膚科を受診しましょう。
日本皮膚科学会 尋常性ざ瘡(=ニキビ)治療ガイドラインでは「90%以上の人がニキビを経験するが、10%しか病院に行かない」と示しています。
できてしまった赤ニキビについては、皮膚科で診断と治療を行いましょう。医師が肌の状態を診断して、必要なお薬の選択をし処方します。皮膚科では状況に合わせて治療できるというメリットがあります。
赤ニキビの治療で皮膚科を受診するメリット
- 今できているニキビを早く、適切に治すことができる。
- ニキビ跡にならないように防ぐことができる。
具体的に皮膚科の保険診療ではこのような治療を行います。
内服薬による治療
- ミノマイシン(テトラサイクリン系の抗生物質。抗菌力が高く、比較的耐性菌が少ないのが特徴)
- ファロム(ペネム系抗菌薬。アクネ桿菌が増殖するのに必要な細胞壁を合成できなくする)
- ビブラマイシン(テトラサイクリン系の抗生物質。優れた抗菌作用と安定した吸収率がある)
- ルリッド(マクロライド系の抗生物質。タンパク質の合成を阻害して、増殖を防ぐ)
※投薬は医師の診断によります。副作用などがあり、使用上での注意が必要です。
外用薬による治療
- アクアチム軟膏・クリーム・ローション(ニューキノロン系抗生物質。皮膚表面の細菌が増殖するのを妨げ、殺菌する効果がある)
- ダラシン(クリンダマイシン)ゲル(リンコマイシン系抗生物質の外用薬。炎症を抑える作用がある)
- ゼビアックスローション・クリーム(キノロン系の抗菌薬。アクネ桿菌などに対して抗菌作用がある)
※投薬は医師の診断によります。副作用などがあり、使用上での注意が必要です。
漢方薬による体質改善
- 十味敗毒湯 (ジュクジュクとした患部から水と熱を発散させ肌を正常に導く働きがあある)
- 清上防風湯 (皮脂の多いタイプによく効きます。熱を発散させて、膿を輩出する働きがある)
漢方薬はゆっくりと効果が出てきますので、3カ月程度続けていく必要があります。詳細は医師にお問い合わせください。
美容皮膚科では皮膚疾患の治療から、その肌質改善まで行います。
美容皮膚科でのニキビ治療は、自費診療になります。
治療前には無料カウンセリングを受けることができる病院もありますので、気になることはカウンセリング等で相談するようにしましょう。
- レーザーなど専用機器を用いた根本治療、肌質改善
- イソトレチノイン内服薬(ビタミンAの一種で皮脂の分泌を抑える作用、アクネ菌に対する抗菌作用、抗炎症作用に優れているため、重症のニキビに対して有効です。海外では、重症のニキビ治療に有効な薬剤として認知されています。しかし日本では厚生労働省の承認が取れていないため、保険が適応されません。)
- ビタミントリートメント(ビタミンAや抗酸化物質が豊富に配合された溶剤を微弱な電流を流し、イオン導入で浸透させます。)
受診できなくてもあきらめない。赤ニキビの基本的なスキンケア方法
肌の清潔を維持するケアをしましょう
肌汚れや皮脂を正しく洗い流すようにしましょう。
ゴシゴシこするのは肌に負担をかけてしまうのでしないようにしましょう。
洗顔料をしっかりと泡立てます。泡はしっかりと角が立つくらいたっぷりと泡立てて、泡の弾力で汚れを浮かすようにします。
浮かした汚れは、手にすくった水で洗い流すようにしましょう。シャワーを直接当ててしまうことも刺激となってしまいます。
水分・油分のバランスを整えましょう
水分と油分のバランスを整えると、潤いのある肌を保つことができます。
ニキビ肌の方こそ、保湿が必要です。乾燥を避け、ターンオーバーを促して過剰な皮脂の分泌をコントロールしていきましょう。
お肌の状態に合わせたケアについては「らうたげ」をご覧ください。
「らうたげ」は自分で必要な成分をカスタマイズして使用する化粧品です。
※医療機関専売化粧品になります。取り扱い医院をご参照ください。
肌を刺激しないように気をつけましょう
洗顔時、ゴシゴシと強くこすったりしていませんか?
肌に摩擦を起こしてしまうことで、バリア機能の低下につながります。スクラブ入りの洗顔料も注意が必要です。
また、洗顔している時間が長すぎるのも肌への刺激となってしまいます。1分程度で終わらせるようにしましょう。
紫外線対策をしっかりとしましょう
紫外線を浴びると、皮膚のバリア機能は低下します。
低下してしまうと、肌は角質を厚くして守ろうとします。
その結果、毛穴が閉じてしまって詰まりの原因となってしまいます。
赤ニキビになりにくい環境を整える。内部からのケアも大切です。
いつもよりも多めの睡眠を取りましょう
健康な肌を守り、ニキビを治療するためには十分な睡眠が大切です。
睡眠の質が良くないと肌の免疫力が下がり、状態が改善されない場合もあります。
また、肌が直接触れるものなので清潔な寝具を使用するようにしましょう。
食事の内容に気をつける
栄養をしっかりと取ることはニキビのケアにも影響を及ぼします。
- タンパク質 肌のターンオーバーを正常にする。(例:肉類、魚介類、卵、乳製品など)
- 必須脂肪酸 血流を促進し、肌や粘膜を強くする効果があります。(例:サケ、サバ、イワシ、カキ、カニなど)
- 食物繊維 便秘に良いとされている成分で、腸内環境を整えるサポートをしてくれます。(例:玄米、納豆、イモ、バナナ、根菜、キノコ類、海藻類など)
- ビタミンB群 肌を修復するときに使われる成分で、体の中で生成することができないので、体外から摂取する必要があります。(例:豚肉、鶏肉、サバ、カツオ、ごま、玄米、アーモンド、アボカドなど)
- ビタミンE 強い抗酸化作用があります。血行を良くする働きがあるので、肌のターンオーバーを促進します。(例:緑茶、アーモンド、モロヘイヤ、とうがらし、西洋カボチャなど)
自分に合った方法でストレス解消をしましょう。
ホルモンバランスの乱れを解消しましょう
ストレスを受けることで、男性ホルモンやノルアドレナリンが分泌されます。
そうすると過剰な脂質が分泌されて、ニキビの原因になってしまいます。
もとになるストレスを解消することで、正常なバランスを取り戻すようにしましょう。
自律神経のみだれ
ストレスにより自律神経が乱れると、肌のターンオーバーがうまくいかなくなってしまいます。
うまくいかないと、古い角質が毛穴に詰まってしまいアクネ桿菌の増殖のきっかけになってしまいます。
ストレス解消にどんな方法がいい?
大切なのは交感神経を鎮め、副交感神経の働きを促進させるようにすることです。
適度なジョギングやウォーキング、サイクリングなどの有酸素運動は運動後に副交感神経が活発になりやすく、リラックスすることにもつながります。
また、体を動かすことでしっかりと睡眠を取れるようになります。
とはいえ、やりすぎては逆効果になってしまうので、ほどほどにすることが大切です。
まとめ
赤ニキビは目立つので、早く治したいのは皆さん同じ気持ちだと思います。
コンシーラーやファンデーションで隠そうとしてみたり、髪の毛で隠してみたりすることが逆に症状を悪化させることになります。
赤ニキビにとっては、刺激になり、治療が進まなくなります。
赤ニキビは正しいケアをすることで、進行することを抑えて、改善することができます。
自己判断せず医師の診断を受けることで赤ニキビを効率よく、またニキビ痕にならないように治療を進めていけます。
赤ニキビができにくくなるようお肌の環境を整えるための方法は美容皮膚科でお伝えすることができます。
病院によっては、無料カウンセリングを用意しているところもありますので一度お問い合わせしてみるのもよいかもしれません。