ニキビができる場所によって原因は違う?場所ごとのニキビ対策についても解説
2025/03/21
ニキビにお悩みですか?皮膚科医が、部位ごとの原因と適切なスキンケアを解説します。
ニキビは早めの受診が推奨されており、放置するとニキビ跡が残ることも。 生活習慣の見直しや適切な治療で、肌トラブルを防ぎましょう。
Contents
1. どの場所でもニキビができる基本的な原因は同じ
ニキビは、肌のどの部分にも発生する可能性があります。おでこや鼻、顎、背中など、できやすい場所には違いがありますが、基本的な原因は共通しています。
肌の表面では常に皮脂が分泌されており、それが毛穴に詰まることでニキビが発生します。
しかし、なぜ毛穴が詰まりやすくなるのか、どのような要因がニキビを悪化させるのかを理解することが大切です。
1-1. ニキビの基本的な原因は「皮脂の過剰分泌、毛穴の詰まり、アクネ菌の増殖と炎症」
ニキビができる主な原因は、大きく3つに分けられます。
原因 | 内容 |
皮脂の過剰分泌 | ホルモンバランスの乱れや食生活の影響で皮脂が過剰に分泌されると、毛穴の中に皮脂がたまりやすくなります。
特に思春期やストレスが多い時期には、皮脂腺の働きが活発になり、ニキビができやすくなります。 |
毛穴の詰まり | 肌のターンオーバー(細胞の生まれ変わり)が乱れると、古い角質がうまく剥がれ落ちず、毛穴をふさいでしまいます。
これにより、皮脂が毛穴の中に閉じ込められ、ニキビの原因になります。 化粧品や日焼け止めの洗い残しも毛穴を詰まらせる要因になります。 |
アクネ菌の増殖と炎症 | 毛穴の中にたまった皮脂は、アクネ菌の栄養源となります。
アクネ菌が増殖すると、炎症を引き起こし、赤みや腫れを伴うニキビに発展します。 特に、免疫力が低下していると、ニキビの炎症が悪化しやすくなります。 |
この3つの原因が相互に作用することで、ニキビは発生します。
皮脂のコントロールや毛穴詰まりの予防、アクネ菌の増殖を防ぐことが、ニキビケアの基本になります。
ターンオーバーとは
ターンオーバーは、皮膚の細胞が新しく生まれ変わる仕組みのことです。 通常、約28日周期で古い角質が剥がれ落ち、新しい肌へと入れ替わります。 しかし、睡眠不足やストレス、乾燥などで乱れると、角質が厚くなり毛穴が詰まりやすくなり、ニキビの原因となります。 |
1-2. 場所によって、ニキビの原因を引き起こす要因が違う
基本的な原因は共通しているものの、ニキビができやすい部位によって発生を促す要因が異なります。
例えば、おでこや鼻などのTゾーンは皮脂腺が多く、皮脂の分泌が活発なため、毛穴が詰まりやすいです。
一方、顎やフェイスライン、首などのUゾーンでは、ホルモンバランスの影響を受けやすく、ストレスや睡眠不足が原因でニキビができることが多いです。
マスクを頻繁に着用することで、口周りや頬のニキビが悪化するケースも増えています。マスクの摩擦や蒸れが、毛穴詰まりや炎症を引き起こす要因になっています。
背中やデコルテなどの体の部位では、汗や衣類の摩擦が影響することもあります。
特に、シャンプーやボディソープのすすぎ残しが、毛穴を詰まらせる原因になることもあります。
このように、ニキビの原因は部位によって異なるため、それぞれに合った対策が必要です。部位ごとの原因と具体的な対策について、もう少し詳しく掘り下げてみましょう。
2. 【場所別】ニキビの原因と対策
ニキビは体のさまざまな部位にできるものですが、発生する要因は部位によって異なります。
おでこや鼻などのTゾーンは皮脂分泌が活発なため、毛穴詰まりによるニキビが発生しやすい一方で、顎やフェイスラインのニキビはホルモンバランスの影響を受けやすいです。
また、マスクの着用や髭剃りなど、日常生活の習慣もニキビの発生に大きく関係しています。
見やすいように、表を作ってみました。
部位 | 主な原因 | 悪化要因 | 対策 |
おでこ・眉間 | 皮脂の過剰分泌 | 前髪の刺激・シャンプーのすすぎ残し | 皮脂のコントロール・前髪を上げる |
鼻・小鼻 | 毛穴の詰まり | メイク残り・マスクの蒸れ | 丁寧なクレンジング・毛穴ケア |
顎・フェイスライン | ホルモンバランスの乱れ | ストレス・寝不足 | 生活習慣の改善・丁寧な洗顔 |
頬 | 皮脂の過剰分泌 | マスクの摩擦・乾燥 | マスクの素材選び・保湿ケア |
口周り | 乾燥・皮脂の分泌増加 | 食事の汚れ・無意識の触り癖 | 口周りの清潔保持・保湿対策 |
背中 | 汗・皮脂の詰まり | 衣類の摩擦・シャンプーの残り | 速やかに汗を拭く・通気性の良い服 |
デコルテ(胸) | 皮脂の過剰分泌 | 衣類の摩擦・蒸れ | コットン素材の服・適度な保湿 |
首 | ホルモンバランスの影響 | シャンプーのすすぎ残し | 丁寧なすすぎ・ストレス管理 |
頭皮 | 洗い残し・皮脂の増加 | 帽子の蒸れ・整髪料の残留 | 正しい洗髪・通気性の確保 |
2-1. おでこ(額)、眉毛、眉間のニキビ
Tゾーンに含まれるおでこや眉間は、皮脂腺が特に多い部位です。そのため、皮脂の分泌が過剰になると毛穴が詰まり、ニキビができやすくなります。
さらに、前髪が肌に触れることで雑菌が付着しやすくなり、悪化することもあります。
皮脂腺とは
皮脂腺は、皮膚の真皮に存在し、皮脂を分泌する器官です。 特に顔のTゾーンや背中、胸などに多く分布し、皮脂を分泌することで皮膚の保湿や外部刺激からの保護を担います。 しかし、過剰に分泌されると毛穴が詰まり、ニキビの原因になります。 ホルモンバランスや生活習慣の影響を受けやすいため、適切なスキンケアが重要です。 |
2-1-1. 主な原因は皮脂の過剰分泌。すすぎ残しや前髪による刺激も影響
おでこのニキビの大きな原因は、皮脂の過剰分泌です。
特に10代の思春期には皮脂腺の活動が活発になり、毛穴に皮脂が詰まりやすくなります。
また、整髪料やシャンプーのすすぎ残しが毛穴を塞ぎ、ニキビの原因となることもあります。
前髪が長い場合は、おでこに直接触れることで摩擦や湿気が生じ、肌が刺激を受けやすくなります。
汗やホコリと混ざった皮脂が毛穴に溜まると、アクネ菌の増殖を助長し、炎症を伴うニキビへと発展することがあります。
2-1-2. 皮脂汚れを落とし、すすぎ残しがないように対策
おでこや眉間のニキビを予防するためには、適切な洗顔とヘアケアが重要です。
- 洗顔方法を見直す
洗顔料をしっかり泡立て、肌をこすらずに優しく洗うことが大切です。特に、すすぎ残しがないように、髪の生え際まで丁寧に洗い流しましょう。 - ヘアスタイルを工夫する
前髪が肌に触れないように、ピンで留めるか、整髪料の使用を控えめにすることで、肌への刺激を減らすことができます。 - 皮脂コントロールを意識する
皮脂の分泌を抑えるビタミンC配合の化粧水を使用するなどし、しっかり保湿をしましょう。過剰な皮脂分泌を抑えるため、脂っこい食事を控えることも有効です。よくありがちなのが、皮脂が多いからといって保湿を怠り悪化してしまうケースです。保湿を怠ると、肌は乾燥を防ごうとさらに皮脂を分泌します。保湿を適度に行うことも大切です。
洗顔方法を見直す、ヘアスタイルを工夫する、皮脂コントロールを意識する。これらのことを試し自己解決されるケースももちろんありますが、当院としてはニキビ跡を残さないためにも、早い段階で一度皮膚科を受診されることを推奨しています。
2-2. 鼻、小鼻、鼻下のニキビ
鼻周辺のニキビは、皮脂やメイク汚れが毛穴を詰まらせることで発生します。
さらに、マスクの着用による蒸れや摩擦が刺激となり、ニキビを悪化させることもあります。
2-2-1. 主な原因は、皮脂やメイク汚れによる毛穴詰まり。マスクの蒸れや摩擦なども影響
鼻は顔の中でも特に皮脂腺が多く、毛穴が開きやすい部位です。
そのため、余分な皮脂やメイク汚れが毛穴に詰まりやすく、ニキビが発生しやすくなります。
また、マスクの着用が習慣化することで、鼻周りの蒸れや摩擦が刺激となり、肌のバリア機能が低下しやすくなります。
特に、不織布マスクのこすれによる刺激で炎症を引き起こし、ニキビが悪化するケースも少なくありません。
2-2-2. 洗顔でメイクや皮脂をしっかりと落とし、毛穴を詰まらせないように対策
- メイクや皮脂汚れを徹底的に落とす
洗顔はたっぷりの泡を使用して、優しく洗うことが重要です。オイルタイプのクレンジングは洗浄力が高いですが、ニキビを悪化させる可能性もあります。可能な限り肌に負担がかからないクレンジングを使用することが重要で、泡タイプのクレンジングが一番おすすめです。 - マスクの素材に注意する
肌に優しいシルクや綿素材のマスクを使用し、長時間の着用を避けることで、肌への刺激を減らすことができます。
2-3. 顎、フェイスラインのニキビ
顎やフェイスラインにできるニキビは、大人ニキビの代表的なものです。
ホルモンバランスの乱れが影響しやすく、ストレスや食生活、睡眠不足などが原因となることが多いです。
2-3-1. 主な原因は、ホルモンバランスの乱れによる皮脂の過剰分泌
フェイスラインはホルモンバランスの影響を強く受ける部位です。
特に、月経周期の変化によって皮脂分泌が増加し、ニキビができやすくなります。
また、ストレスが溜まると交感神経が活性化し、皮脂腺が刺激されて皮脂分泌が増加します。
さらに、不規則な生活習慣や偏った食事によって、肌のターンオーバーが乱れ、ニキビの悪化を招くことがあります。
2-3-2. 洗顔で皮脂をしっかりと落とし、生活習慣の見直しで対策
- ストレス管理を意識する
リラックスする時間を作り、ストレスを軽減することで、ホルモンバランスの乱れを抑えることができます。適度な運動や深呼吸を取り入れるのも効果的です。 - 食生活の見直しを行う
糖分や脂肪分の多い食事を控え、ビタミンB群やビタミンCが豊富な食材(緑黄色野菜、ナッツ類、魚)を摂取すると、皮脂のコントロールに役立ちます。 - 正しい洗顔を心がける
洗顔時はフェイスラインまで丁寧に洗い、すすぎ残しがないようにしましょう。特に、ヘアライン付近は泡が残りやすいため、しっかりと流すことが重要です。しかし、繰り返しできるニキビや、痛みを伴うニキビは、皮膚科で早めの治療を受けることで悪化を防ぐことができます。
顎やフェイスラインのニキビは、原因が複雑に絡み合っているため、総合的なケアが必要です。
日々の生活習慣を整えながら、適切なスキンケアを続けていきましょう。
2-4. 頬のニキビ
頬は顔の中でも特に目立つ部分であり、ニキビができると気になりやすい部位です。
思春期の皮脂分泌が活発な時期にはもちろん、大人になってからもさまざまな要因でニキビが発生することがあります。
特に、ホルモンバランスの変化やマスクの着用による刺激が頬のニキビを引き起こしやすくなっています。
2-4-1. 主な原因は、ホルモンバランスの乱れによる皮脂の過剰分泌。マスクによる刺激も影響
頬のニキビは、Tゾーンと比べると皮脂腺の密度が低いですが、ホルモンバランスの変化によって皮脂の分泌が増えると毛穴が詰まり、ニキビが発生しやすくなります。
特に、生理前やストレスが増えた時に頬にニキビができる人は、ホルモンの影響を受けている可能性があります。
また、マスクの着用による摩擦や蒸れも頬のニキビを悪化させる原因の一つです。
長時間のマスク着用によって肌がこすれたり、汗や皮脂がたまりやすくなったりすると、毛穴が詰まりやすくなります。
さらに、マスクの内側に繁殖した細菌が炎症を引き起こすこともあります。
2-4-2. 生活習慣の見直しや肌の状態にあったスキンケアで対策
- ホルモンバランスを整える
ストレスを軽減するために適度な運動やリラックスする時間を取り入れることが大切です。睡眠不足もホルモンバランスを乱す原因となるため、十分な睡眠を確保しましょう。 - マスクの着用方法に注意する
マスクの素材を肌に優しいものに変更し、長時間の着用を避けることが効果的です。こまめに取り換えたり、適度に外して換気をすることで肌への負担を軽減できます。 - 正しいスキンケアを行う
乾燥が原因で皮脂の過剰分泌が起こることもあるため、肌の状態に合った保湿ケアが重要です。脂性肌の人は油分を控えた化粧水や乳液を使用し、乾燥肌の人はセラミドやヒアルロン酸配合の保湿剤を使うとよいでしょう。ただし、自己ケアで改善しない場合や、赤みが長引く場合は、皮膚科での診察を検討しましょう。
2-5. 口・口周りのニキビ
口の周りのニキビは、皮膚が薄く刺激を受けやすい部位であるため、乾燥やホルモンバランスの影響を受けやすい特徴があります。
また、食事の際に油分や調味料が付着しやすいため、肌が汚れやすく、ニキビの発生リスクが高まります。
2-5-1. 主な原因は乾燥やホルモンバランスの乱れによる皮脂の過剰分泌
口周りの肌は、頬や額よりも皮膚が薄く、乾燥しやすい部位です。肌が乾燥すると、皮脂が不足していると判断され、皮脂分泌が過剰になります。
これにより、毛穴が詰まりやすくなり、ニキビの原因になります。
また、ホルモンバランスの乱れが影響しやすい部位でもあり、特に生理前やストレスが多い時期にはニキビができやすくなります。
さらに、無意識に口元を触る癖があると、手に付いた細菌が肌に移り、炎症を引き起こすことがあります。
2-5-2. ストレス管理や食生活の見直し、乾燥を防ぐスキンケアで対策
- ストレスを軽減する習慣を取り入れる
趣味の時間を作る、リラックスできる入浴をするなど、ストレスをため込まない生活を意識することが大切です。 - 食生活の改善
脂っこい食事や甘いものを控え、野菜やタンパク質をバランスよく摂取することで、皮脂分泌のコントロールに役立ちます。 - 乾燥対策を徹底する
洗顔後は、しっかりと保湿を行い、乾燥を防ぎましょう。特に、口周りは皮膚が薄いため、刺激の少ない保湿剤を使用するのがおすすめです。しかし、口周りに炎症を伴うニキビができやすい場合は、早めに皮膚科で適切な処置を受けることで長引かせずに済むケースが多いです。
2-6. 背中のニキビ
背中のニキビは、顔とは異なる環境要因が関係することが多いです。
皮脂や汗がたまりやすく、衣類による摩擦や蒸れが影響することもあります。
また、シャンプーやボディソープのすすぎ残しが原因となることもあるため、注意が必要です。
2-6-1. 主な原因は汗や皮脂による毛穴詰まり。すすぎ残しや衣類による摩擦、蒸れも影響
背中は皮脂腺が多く、特に汗をかきやすい部位でもあるため、毛穴が詰まりやすい傾向があります。
さらに、衣類の摩擦や通気性の悪い服を着ることで、肌に刺激を与えてしまうことがあります。
また、シャンプーやボディソープのすすぎ残しが毛穴を塞ぎ、ニキビの原因になることがあります。
特に、リンスやコンディショナーが背中に残ると、皮脂と混ざって毛穴を詰まらせることがあるため、しっかりと流すことが大切です。
2-6-2. きちんと洗浄しすすぎ残しにも注意。自分にあった衣服で対策
- 入浴時のすすぎを徹底する
シャンプーやコンディショナーを流す際は、背中に残らないように十分にすすぐことを意識しましょう。 - 通気性の良い衣服を選ぶ
汗を吸収しやすい綿素材の服を着用し、通気性を確保することで、肌の負担を減らせます。締め付けが強い服は摩擦の原因となるため、なるべくゆったりとしたものを選びましょう。
洗浄を適切に行う
背中は手が届きにくいため、ナイロンタオルなどを使用し、適度な力加減で優しく洗うことが重要です。 また、ナイロン製のタオルやスポンジは、肌への刺激が強すぎる場合があります。 ゴシゴシと強く擦ると、肌を傷つけ、炎症を悪化させる可能性があります。 たっぷりの泡で優しくなでるように洗いましょう。 |
背中のニキビは、自分でケアしにくい部位でもあるため、長期間治らない場合は早めに皮膚科を受診することで早期改善が期待できます。
2-7. デコルテ(胸)のニキビ
デコルテや胸は、皮脂腺が多く、汗をかきやすい部位です。
そのため、皮脂や汗による毛穴詰まりが原因でニキビができやすくなります。
また、衣類の摩擦や蒸れによって肌が刺激を受けると、ニキビが悪化することもあります。
2-7-1. 主な原因はホルモンバランスの乱れによる皮脂の過剰分泌。衣類による摩擦、蒸れも影響
デコルテや胸のニキビの大きな原因は、ホルモンバランスの変化による皮脂の過剰分泌です。
特に、思春期やストレスが多いとき、生理前後などに皮脂の分泌が活発になり、毛穴が詰まりやすくなります。
また、胸は汗をかきやすい部位であり、湿気がこもることで雑菌が繁殖しやすくなります。
さらに、下着や衣服による摩擦が肌への刺激となり、炎症を引き起こすこともあります。
特に、タイトな服や化学繊維の衣類を着ると、肌への刺激が増え、ニキビが悪化しやすくなります。
2-7-2. ホルモンバランスを整える生活習慣や自分にあった衣服で対策
- ホルモンバランスを整える生活を心がける
ストレスをためないように適度な運動を取り入れたり、十分な睡眠を確保することが重要です。食生活も見直し、脂質の多い食事を控え、ビタミンB群やビタミンCを多く含む食材を積極的に摂るようにしましょう。 - 衣類の選び方に気をつける
通気性の良いコットン素材の衣類や下着を選び、汗をかいたらこまめに着替えることで、蒸れを防ぐことができます。また、締め付けの強い下着やブラジャーは摩擦の原因となるため、自分の体に合ったサイズを選ぶことが大切です。 - 肌を清潔に保つ
シャワーを浴びる際は、石鹸やボディソープをしっかりと泡立てて優しく洗い、すすぎ残しがないように注意しましょう。特に、シャンプーやトリートメントの成分が胸に残らないよう、最後にしっかりと洗い流すことが重要です。しかし、ニキビが広がる場合や、慢性的にできる場合は、皮膚科の診察を受けるのがおすすめです。
2-8. 首のニキビ
首のニキビは、ホルモンバランスの乱れに加え、汗やシャンプーの洗い残し、衣類の刺激などが原因となることが多いです。
また、紫外線や乾燥の影響を受けやすく、ターンオーバーが乱れることでニキビができやすくなります。
2-8-1. 主な原因はホルモンバランスの乱れによる皮脂の過剰分泌や、洗い残しによる毛穴詰まり
首は皮脂腺が比較的少ない部位ですが、ホルモンバランスが崩れると皮脂の分泌が増加し、毛穴詰まりを引き起こしやすくなります。
特に、ストレスや寝不足、不規則な生活習慣が続くと、肌のターンオーバーが乱れ、ニキビができやすくなります。
また、シャンプーやボディソープの洗い残しが毛穴を塞ぎ、ニキビの原因となることもあります。
特に、髪の毛が長い人は、ヘアケア製品の成分が首に残りやすいため、しっかりとすすぐことが大切です。
2-8-2. ストレス管理とすすぎ残し、衣類による刺激を避けることで対策
- ストレスを管理する
ヨガや瞑想、ウォーキングなどのリラックスできる習慣を取り入れ、ストレスを軽減することが重要です。 - 洗浄を丁寧に行う
シャンプーやボディソープのすすぎ残しを防ぐため、ぬるま湯(30〜37℃)を使ってしっかりと洗い流しましょう。また、洗顔時に首まで優しく洗うことで、毛穴の詰まりを防ぐことができます。 - 衣類の刺激を減らす
首周りにフィットしすぎるタートルネックや襟付きのシャツは摩擦の原因となるため、通気性の良い服を選ぶのが理想的です。肌触りの良いコットン素材を選ぶことで、肌への刺激を減らせます。ただし、首のニキビは原因が多岐にわたるため、なかなか改善しない場合は、皮膚科で診察を受けることをおすすめします。
2-9. 頭皮のニキビ
頭皮は皮脂腺が多く、汗をかきやすい部位のため、毛穴詰まりが起こりやすい場所です。
洗い残しやホルモンバランスの乱れ、帽子の蒸れなどが原因で、ニキビができやすくなります。
2-9-1. 主な原因は洗い残しによる毛穴詰まりや、ホルモンバランスの乱れによる皮脂の過剰分泌
頭皮の毛穴は顔よりも大きいため、皮脂が詰まりやすく、ニキビができやすい特徴があります。
特に、整髪料の使用やシャンプーの洗い残しが毛穴を塞ぐことで、アクネ菌が繁殖しやすくなります。
また、ストレスや食生活の乱れがホルモンバランスに影響を与え、皮脂の過剰分泌を引き起こすこともあります。
さらに、帽子やヘルメットを長時間かぶることで蒸れが生じ、細菌が繁殖しやすくなることもあります。
2-9-2. 生活習慣を整えたり、洗髪方法を見直すことで対策
- 生活習慣を改善する
十分な睡眠を確保し、バランスの良い食事を心がけることで、ホルモンバランスを整えることができます。特に、ビタミンB群やオメガ3脂肪酸を含む食品(魚、ナッツ類)を意識的に摂ると、皮脂の分泌を抑えるのに役立ちます。 - 正しい洗髪方法を実践する
シャンプーはしっかり泡立て、指の腹で優しくマッサージするように洗いましょう。すすぎ残しを防ぐため、ぬるま湯でしっかりと流すことが大切です。 - 清潔な環境を保つ
枕カバーやタオルを定期的に交換し、清潔な状態を維持することも大切です。また、帽子を長時間かぶる場合は、通気性の良いものを選び、こまめに取り外すようにしましょう。
頭皮のニキビは、見えにくいため放置しがちですが、炎症が悪化すると痛みを伴うこともあります。
適切なケアを続けることで、健康的な頭皮環境を維持しましょう。
しかし、頭皮に痛みを伴うニキビが頻繁にできる場合は、可能な限り早い段階で皮膚科を受診しておくと安心です。
3. なかなかニキビが治らない場合は、医療機関への受診を
ニキビは適切なスキンケアや生活習慣の改善によって改善することが多いですが、ニキビはできるだけ早く皮膚科を受診することが推奨されています。
放置すると炎症が悪化し、ニキビ跡が残るリスクが高まるため、できるだけ早い段階で専門医の診察を受けることが大切です。
特に、炎症が強いニキビや繰り返しできるニキビは、放置するとニキビ跡になりやすく、早めの治療が必要になります。
医療機関を受診すべき症状
症状 | 受診が必要な理由 |
赤みや腫れがひどい | 炎症が進行し、ニキビ跡が残るリスクがあるため早めの治療が必要。 |
膿を持つニキビが繰り返しできる | 重症化しやすく、放置すると色素沈着やクレーターの原因になる。 |
自己ケアでは改善しない | 市販のスキンケアでは対処が難しい場合、専門的な治療が有効。 |
フェイスラインや背中全体に広がっている | 内部的な要因(ホルモン・皮膚疾患)が関与している可能性があるため、診察が必要。 |
皮膚科では、症状に応じた適切な治療を受けることができます。
例えば、抗生剤やビタミン剤の処方、塗り薬の使用、ピーリング治療など、個々の肌に合わせた治療が可能です。
また、ニキビと似た症状を持つ「マラセチア毛包炎」や「接触皮膚炎」など、別の皮膚疾患が原因である可能性もあるため、専門医による診断が重要です。
長引くニキビを放置せず、早めに適切な治療を受けることで、肌トラブルを最小限に抑えることができます。気になる症状があれば、迷わず皮膚科を受診しましょう。
4. まとめ
ニキビは、皮脂の過剰分泌、毛穴の詰まり、アクネ菌の増殖が主な原因となり、発生する部位によって要因や対策が異なります。
適切なスキンケアや生活習慣の見直しによって、多くのニキビは改善できますが、なかなか治らない場合は皮膚科で専門的な治療を受けることが重要です。
各部位ごとの原因を理解し、洗顔や保湿の工夫、食生活の改善、ストレス管理を取り入れることで、ニキビの発生を防ぐことができます。
また、摩擦や蒸れを避けるために、衣類やヘアスタイルにも気を配ることが大切です。
ニキビが悪化すると、色素沈着やクレーターのような跡が残ることがあります。早めのケアと正しい知識を身につけ、健やかな肌を維持していきましょう。もし自己ケアで改善が見られない場合は、専門医の診察を受けることをおすすめします。