ダーマペンはニキビ跡に効果がある?治療期間や回数についても解説
2025/04/18
ダーマペンは色素沈着やクレーター状のニキビ跡に有効とされる治療法です。
本記事では、皮膚科医目線でダーマペンの治療効果や適切な回数、施術の流れ、効果を高める方法を詳しく解説します。
適切な施術とケアを行い、なめらかな肌を目指しましょう。
Contents
1. ダーマペンの治療効果はニキビ跡の種類によって異なる
ダーマペンは、微細な針を肌に刺して自己修復機能を促進し、肌質を改善する治療法です。
しかし、すべてのニキビ跡に適しているわけではなく、効果が期待できる種類と避けるべき種類があります。 まずは自分のニキビ跡の状態を知ることが重要です。
1-1. ダーマペンの治療が効果的なニキビ跡の種類
ダーマペンが特に効果を発揮するとされるのは、色素沈着・肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん/軽度な盛り上がり)・クレーター(凹み)状のニキビ跡です。
それぞれの特徴とダーマペンの働きを詳しく見ていきましょう。
1-1-1. 色素沈着のニキビ跡
色素沈着のニキビ跡は、炎症後にメラニン色素が沈着し、茶色や紫色のシミのように残る状態です。
特に、肌のターンオーバーが乱れていると、色素が長く残りやすくなります。
効果 ダーマペンは、肌のターンオーバーを促進し、沈着したメラニンを排出しやすくするため、時間をかけて徐々に色が薄くなることが期待できます。 |
1-1-2. 肥厚性瘢痕(軽度な盛り上がり)状のニキビ跡
肥厚性瘢痕(軽度な盛り上がり)状のニキビ跡は、皮膚の修復時にコラーゲンが過剰に生成され、しこりのように盛り上がった状態です。
ダーマペンは、肥厚性瘢痕のニキビ跡には有効とされますが、体質的にケロイドになりやすい方には、かえって症状を悪化させる可能性があります。
ケロイド体質の方は、医師と慎重に相談しましょう。
効果 ダーマペンは、皮膚に細かい傷をつけることでコラーゲンの再構築を促し、過剰生成された組織を改善する効果が期待できます。 |
1-1-3. クレーター(凹み)状のニキビ跡
クレーター状のニキビ跡は、炎症が真皮層まで及び、組織が破壊されたことで皮膚が陥没してしまう状態です。
時間が経っても自然に改善することは難しく、積極的な治療が必要です。
効果 ダーマペンの針が真皮層まで届き、コラーゲン生成を促進することで、肌の凹凸を改善する効果が期待できます。 比較的浅いクレーターに対して効果がみられることがありますが、特に深いクレーター状の凹みは、十分な改善が難しいことがあります。 |
1-2. ダーマペンの治療を避けた方がよいニキビ跡
すべてのニキビ跡にダーマペンが適しているわけではありません。以下のような状態では、かえって悪化する可能性があるため、慎重に治療を検討する必要があります。
1-2-1. 赤く炎症を起こしているニキビ跡
炎症が続いているニキビ跡は、肌がまだダメージを受けており、回復途中の状態です。
この状態の時は、ダーマペンの刺激によってさらに炎症が悪化し、色素沈着を引き起こす可能性があるため、ダーマペンの使用は避けた方がよいです。
炎症が治まるまでは、適切なスキンケアや治療を行い、赤みを落ち着かせることが重要です。
1-2-2. 膿やしこりがあるニキビ跡
膿やしこりが残っているニキビ跡は、まだ炎症が進行している状態のため、ダーマペンの使用は避けた方がよいです。
ダーマペンの針が膿や細菌を拡散させ、新たな炎症を引き起こすリスクがあるため、まずは皮膚科で適切な治療を受け、炎症を完全に鎮めることが重要です。
ダーマペンはニキビ跡の種類によって適用範囲が異なります。
適した種類であれば高い効果が期待できますが、不適切な場合には悪化のリスクがあるため、医師と相談しながら適切な治療を選ぶことが大切です。
2. ダーマペンの効果が実感できる治療期間や回数は、ニキビ跡の種類によって異なる
ダーマペンを使用したニキビ跡の治療は、1回の施術だけでは効果を実感しにくいことが多く、継続的な治療が必要です。
個人差はあるものの、適切な間隔を空けて必要な回数を受けることが重要です。
特に治療間隔については、肌の再生サイクルを考慮する必要があり、皮膚が適切に回復する3週間~1ヵ月程度の間隔を空けて次の施術を受けるのが推奨されています。
施術間隔が短すぎると、肌に負担をかける可能性があるため注意が必要です。
また、ダーマペン治療の効果は、個人の肌の回復力だけでなく、ニキビ跡の種類によっても治療期間や回数が異なります。
以下に、ニキビ跡の種類別の治療期間と回数の目安を詳しく解説します。
2-1. 色素沈着のニキビ跡の場合:2~3ヶ月(約3回)
色素沈着のニキビ跡は、ニキビの炎症後にメラニン色素が沈着し、茶色や紫色のシミのように見える状態です。
このタイプは肌のターンオーバーを促進することで徐々に薄くなるため、ダーマペンの効果が期待できます。
治療期間と回数の目安
- ダーマペンによって肌の再生機能が活性化され、メラニンの排出が促進されるため、2~3ヶ月(約3回の施術)で改善が期待できる
- 1回目の施術後から徐々に色素沈着が薄くなり、3回目の施術が終わる頃には目に見える改善が得られるケースが多い
ポイント 施術と併せて紫外線対策を徹底することで、色素沈着の再発を防ぐことができます。 また、保湿や美白成分を含むスキンケアを取り入れることで、治療効果をより高めやすくなります。 |
2-2. 肥厚性瘢痕(軽度な盛り上がり)状のニキビ跡の場合:2~3ヶ月(約3回)
画像:https://hifuka-eigo.com/beauty/dermapen/
肥厚性瘢痕(軽度な盛り上がり)状のニキビ跡は、皮膚の修復時にコラーゲンが過剰に生成され、しこりのように盛り上がった状態です。
ケロイド体質の方は、ダーマペンによって逆にケロイドが悪化するリスクがあります。
まずは医師に相談し、ご自身に合った方法を確認しましょう。
治療期間と回数の目安
- 2~3ヶ月(約3回の施術)で症状の改善が期待できる
- ダーマペンの微細な針が、硬くなった組織に適度な刺激を与え、肌の再生機能を正常化させることで、盛り上がりが徐々に目立たなくなっていく
ポイント 施術後のスキンケアを徹底することが大切です。 また、ケロイドができやすい体質の方は、医師と相談しながら施術の回数や間隔を調整することが重要です。 |
2-3. クレーター(凹み)状のニキビ跡の場合:3~5ヶ月(約5回)
クレーター状のニキビ跡は、皮膚の深い層(真皮層)がダメージを受け、肌が陥没してしまった状態です。
特に深いクレーターは、時間が経っても自然に改善することが難しいため、ダーマペンなどの治療が必要になります。
治療期間と回数の目安
- 3~5ヶ月(約5回の施術)で改善効果が期待できる
- 凹みの深さや範囲によっては、5回以上の施術を推奨
比較的浅いクレーターには効果が期待できますが、深いクレーターには十分な改善が見込めない場合があります。
ご自身の肌の状態に合わせて、適切な治療法を医師と相談することが大切です。
ポイント 施術後にコラーゲン生成を促すスキンケアを取り入れることで、治療効果をさらに高めやすくなります。 クレーターの深さによっては、ダーマペンに加えてレーザーやピーリングなどの治療を併用することで、より効果的な改善が期待できます。 |
ダーマペンの治療効果を実感するためには、1回の施術ではなく、適切な間隔を空けて継続的に治療を受けることが大切です。
ニキビ跡の種類 | 治療期間 | 推奨回数 | 期待できる効果 |
色素沈着 | 2~3ヶ月 | 約3回 | メラニン色素の排出促進、肌のトーン均一化 |
肥厚性瘢痕(軽度な盛り上がり) | 2~3ヶ月 | 約3回 | 過剰なコラーゲンの分解、肌の凹凸改善 |
クレーター(凹み) | 3~5ヶ月 | 3~5ヶ月 | コラーゲン生成促進、肌の凹凸の修復 |
施術の効果には個人差があるため、医師と相談しながら適切な治療計画を立てることが重要です。
3. ダーマペンによるニキビ跡治療の流れ
ダーマペンの施術は、医師の診察からアフターケアまでの一連の流れをしっかりと理解し、適切に進めることが重要です。
施術の流れを知っておくことで、不安を軽減し、安心して治療を受けることができます。
各ステップに画像を掲載しながら、詳細を解説します。
3-1. ①医師の診察、カウンセリング
ダーマペンの施術を受ける前に、医師が肌の状態を診察し、適切な治療方法を提案します。
診察・カウンセリングの流れ
- 気になる症状や部位をヒアリングし、肌の状態を確認
- ニキビ跡の種類や肌質を診察・診断し、治療が適しているか判断
- 治療の進め方や期待できる効果、リスクなどを説明し、患者が納得した上で施術を決定
3-2. ②洗顔、麻酔クリームの塗布
施術前には、皮脂や汚れをしっかり落とすために洗顔を行い、その後麻酔クリームを塗布します。
施術前の準備
- 洗顔で肌を清潔な状態にする
- 顔全体に麻酔クリームを塗布し、約30分間おく(痛みを軽減するため)
麻酔がしっかり効くまで待つことで、施術中の痛みを和らげ、快適に治療を受けられるようになります。
3-3. ③ダーマペンによる施術
麻酔クリームを拭き取り、ダーマペン専用の薬剤を塗布した後、施術が開始されます。
施術の流れ
- 痛みの確認をしながら施術を開始
- ダーマペン4は16本の微細な針を使用し、毎秒1,920個の穴を肌にあけることで、肌の再生を促す
- 最大深度は3.0mmで、肌の状態や施術部位に応じて針の深さや速さを調整
- 麻酔を使用しているため、痛みは軽減されるが、部位によってはチクチクとした軽い痛みを感じることもある
ポイント 針の深さを部位ごとに調整し、最適な刺激を与えることで、肌への負担を最小限に抑えつつ、より高い治療効果を引き出すことができます。 また、肌の状態を確認しながら進めることで、一人ひとりの肌質に合わせた最適な施術が可能になり、安全性も向上します。 |
3-4. ④クールダウン
ダーマペンの施術後は、肌が一時的に敏感な状態になります。
特に、微細な針で肌に穴を開けるため、施術直後は軽い出血や赤みが生じることもあります。
クールダウンの重要性
- 肌を鎮静させるために、しっかりと冷却を行う
- 施術後の赤みや腫れを抑え、炎症を最小限にする
このクーリングを適切に行うことで、施術後のダウンタイムを短縮し、肌の回復をスムーズに進めることができます。
3-5. ⑤アフターケア
施術後の肌は非常にデリケートな状態のため、適切なアフターケアを行うことで、治療効果を高め、副作用を防ぐことが可能です。
施術後のケア方法
- 施術後すぐに保湿クリームを塗布し、肌の乾燥を防ぐ
- 洗顔は12時間後から可能(肌への刺激を最小限に抑えるため)
- メイクや日焼け止めの使用は翌日から可能
- 施術当日は、シャワー浴のみ可能で、入浴・サウナは避ける(血行が良くなりすぎると赤みが悪化する可能性がある)
- 施術後の肌は紫外線に敏感なため、日焼けを避け、保湿を徹底する
ダーマペンの施術は、適切な手順とアフターケアを守ることで、より効果的なニキビ跡治療が可能です。
施術を受ける際は、事前に流れを把握し、適切な準備をすることが大切です。
4. ダーマペン治療の効果を高める方法
ダーマペンによるニキビ跡治療は、適切なケアを併用することで、より高い効果を得ることが可能です。
治療後の生活習慣やスキンケアの見直し、症状に応じた薬剤の併用を行うことで、肌の再生を促進し、ダウンタイムを短縮することも期待できます。
4-1. 生活習慣を見直す
肌の状態は、日々の生活習慣や食生活の影響を大きく受けるため、ダーマペン治療の効果を最大限に引き出すためには、普段の生活習慣を見直すことが重要です。
4-1-1.ダーマペン後の肌を整えるためのポイント
栄養バランスの取れた食事を意識する
コラーゲンの生成を促進するためには、タンパク質、ビタミンC、ビタミンAをバランスよく摂取することが大切です。
タンパク質は鶏肉や魚、大豆製品(豆腐・納豆)、卵に多く含まれ、肌の土台を作る役割を果たします。
ビタミンCは柑橘類(オレンジ・レモン)、パプリカ、ブロッコリーに豊富で、コラーゲンの合成をサポートします。
さらに、ビタミンAを緑黄色野菜(にんじん・かぼちゃ)、レバーから摂取することで、肌のターンオーバーを整え、健康的な肌を維持しやすくなります。
睡眠をしっかりと取る
肌のターンオーバーが最も活発になるゴールデンタイム(22時〜2時)には、しっかりと睡眠を確保することが大切です。
特に深い睡眠を取ることで成長ホルモンの分泌が促進され、肌の修復や再生がスムーズに進み、より健康的な肌へと導かれます。
紫外線対策を徹底する
ダーマペン後の肌は非常にデリケートな状態のため、紫外線対策を怠ると色素沈着のリスクが高まります。
施術後は、SPF30以上の日焼け止めを毎日使用し、外出時には帽子や日傘を活用することで、紫外線ダメージを最小限に抑えましょう。
4-2. 症状に合った適切な薬剤の併用がおすすめ
ダーマペンは、美容成分を含む薬剤と併用することで、さらなる効果を引き出すことが可能です。
施術と組み合わせることで、肌の悩みに応じたカスタマイズ治療ができるのが特徴です。
薬剤を併用するメリット
- 肌の再生をより促進し、治療効果を高める
- 施術後の赤みや炎症を軽減し、ダウンタイムを短縮する
- 美白・保湿・抗炎症作用など、肌の悩みに合わせたケアが可能
ただし、薬剤の選択は必ず医師と相談の上で行うことが重要です。
肌の状態や症状によっては、使用を控えるべき成分もあるため、専門家の判断に従いましょう。
当院では、以下のメニューをおすすめしております。
4-2-1. ヴェルベットスキン
ヴェルベットスキンは、ダーマペン4とマッサージピールを組み合わせた施術で、肌を整えることが期待されるメニューです。
ヴェルヴェットスキンの特徴
- ダーマペンで開けた微細な穴からPRX-T33薬剤を浸透させ、肌のコラーゲン生成を強力に促進
- ターンオーバーを活性化し、肌のハリや弾力を向上
- くすみや色素沈着を改善し、透明感のある肌へ導く
この施術は、特に肌のハリ・弾力を向上させたい方や、色素沈着を早く改善したい方におすすめです。
4-2-2. ダーマペン4+イオン導入
ニキビや肌荒れが気になる方におすすめの治療メニューです。
ダーマペン施術後にイオン導入を行うことで、美容成分をより深く肌に浸透させ、治療効果を向上させます。
ダーマペン4+イオン導入の特徴
- イオン導入により、美容成分が肌の奥まで届きやすくなることが期待できます。
- ビタミンAなどの有効成分を肌の奥まで届け、肌の再生をサポート
- 炎症を抑え、赤みを軽減することで、ダウンタイムの短縮が期待できる
この施術は、特にニキビやニキビ跡が気になる方におすすめで、肌の治療効果を底上げします。
ダーマペンの治療効果を高めるためには、生活習慣の見直しや適切な薬剤の併用が重要です。
日々の生活習慣を整え、肌に合った薬剤を併用することで、ダーマペンの効果をより高めることができます。
自分に合った方法を取り入れながら、より美しい肌を目指しましょう。
5. まとめ
ダーマペンは、微細な針を用いて肌の再生を促すことで、ニキビ跡の改善が期待できる治療法です。
しかし、ニキビ跡の種類によって治療効果が異なり、適切な回数や施術間隔を守ることが重要です。
ダーマペンは、1回の施術で劇的な変化をもたらすものではなく、適切な施術頻度とアフターケアを継続することが大切です。
肌の状態に合わせた治療を行うことで、徐々にニキビ跡が改善し、なめらかで美しい肌へと導かれます。
今後ダーマペンの施術を検討している方は、自分の肌の状態を把握し、信頼できる医師と相談しながら、最適な治療プランを選択することをおすすめします。
適切なケアを続けながら、健やかで自信の持てる肌を目指しましょう。