・外用薬は、用法・用量にしたがって塗る
・入浴後の角質層が軟らかいときに塗るのは効果的
・症状が出ているところだけでなく、指の間から足の裏全体と少し足の甲にかかる部分まで(両足)
・症状が治まっても、毎日欠かさず「医師がもういいよ」と言うまで塗り続ける
水虫(足・手白癬)は、白癬菌という真菌(カビの一種)が皮膚に寄生することで起こる感染症です。白癬菌は足だけでなく、手、頭など身体のどこにでも感染し、部位によって、シラクモ(頭部白癬)、タムシ(体部白癬)、インキンタムシ(股部白癬)、爪水虫(爪白癬)など、異なった病名がついています。
白癬菌は皮膚の角質層や毛髪の成分であるケラチンというたんぱく質を栄養源としてすみついているため、その栄養源があるところなら、どこでも白癬になります。白癬菌が寄生していても、必ずしも症状があるわけではありません。
白癬菌は高温多湿の環境を好むため、気温が低く空気が乾燥している間は水虫の症状は治まっていますが、気候が暖かくなってジメジメしてくる頃に症状が現れます。6月の梅雨時期から夏場にかけて、皮膚科を受診される方が増えます。
水虫は特に、足に多くみられます。水虫の人と直接触れあうことがなくても感染することがあり、水虫の人が素足で履いたスリッパや、歩いた床や畳などに落ちた白癬菌が付くことででうつる場合があります。特にバスマットは、湿気を好む白癬菌が発育しやすいため、水虫の人がいる場合には注意が必要です。
白癬菌は足についても、付着した白癬菌が感染するには24時間以上かかります。角質層に入り込まない限り、菌は簡単に落とすことができますので、足の指の間までていねいに洗って乾燥させることを心がけることで白癬菌の感染を防ぐことができます。ただし、足に傷があったり、足が蒸れやすい状況にあると12時間でも感染してしまいます。足を傷つけないために、ゴシゴシ洗いはやめましょう。また、温泉やスポーツジムなどを利用した後は足をきれいに洗っておきましょう。
水虫に似た他の疾患である可能性も
考えらえるため、
自己判断はせず、
真菌検査などによる正しい診断を受けて、
正しい治療を行うことが大切です。
水虫には通常、塗り薬(外用薬)が用いられます。手や足水虫以外の部位の場合、内服薬が処方されることもあります。
完治するまで、根気よく治療を続けることが大切です。自己判断で中止し、菌が残ったままの状態になると、毎年夏場になると症状が出てきてしまうことを繰り返し、他人にもうつしてしまうことになります。
・外用薬は、用法・用量にしたがって塗る
・入浴後の角質層が軟らかいときに塗るのは効果的
・症状が出ているところだけでなく、指の間から足の裏全体と少し足の甲にかかる部分まで(両足)
・症状が治まっても、毎日欠かさず「医師がもういいよ」と言うまで塗り続ける
爪の水虫では外用薬が爪の中の真菌まで届かないため、抗真菌薬の内服薬による治療が有効です。有効成分が血液から爪に運ばれて、爪の内側から効果を発揮します。内服薬以外に外用薬を使用する場合もあります。
爪水虫が治るまでにかかる期間は約1年~1年半とされていますが、お薬を使う期間は薬剤によって異なります。通常、「のみ薬」は約3ヵ月~6ヵ月服用し、その後経過観察になりますが、「ぬり薬」はそれよりも長い期間ぬり続けることが一般的です。
爪水虫の治療は「高齢」や「重症」になるほど時間がかかることがあります。気づいたら早めに治療を開始し、根気よく完治するまで続けましょう。