蕁麻疹(じんましん)
Hives

突然、皮膚の一部が赤くくっきりと盛り上がり(膨疹)、しばらくすると跡形もなく消えてしまう病気です。たいていはかゆみを伴いますが、クチクとしたかゆみに似た感覚や焼けるような感覚を伴うこともあります。

症状が激しい場合には、次々と新しい皮疹が出没し、常に皮疹が現れているように見えることもあります。膨疹の大きさは1㎜~2㎜程度のものから、手足全体くらいのものまで様々です。また、一つの膨疹が融合して体表のほとんどが覆われてしまうこともあります。

蕁麻疹(じんましん)の
原因Cause

蕁麻疹(じんましん)は原因がなく自発的に症状が現れる自発性と特定の刺激が加わることによって症状が現れる刺激誘発性に分けられます。患者さまの7割以上が自発的に症状が現れる突発性蕁麻疹です。

突発性蕁麻疹(じんましん)

突発性の蕁麻疹(じんましん)は、特定の刺激によらず自発的に症状を起こす蕁麻疹です。だいたい7割の方がこの症状に当てはまります。突発性の蕁麻疹は感染症と前後して起こることが多く、感染症の消失とともに症状が治まることが多いです。治療期間はおおよそ1ヶ月以内になります。

慢性蕁麻疹(じんましん)

突発性の蕁麻疹(じんましん)で夕方から夜間にかけて発現することが多い慢性蕁麻疹(じんましん)は悪化することが多く、治療期間は数週間から数ヶ月にわたります。ストレスや疲労などで悪化しやすい傾向にあるため、なるべくリラックスするように心がけましょう。

刺激誘発性
蕁麻疹(じんましん)

原因がはっきりしているタイプの蕁麻疹を「刺激誘発性蕁麻疹(じんましん)」といいます。刺激誘発性蕁麻疹は、アレルギー性のものと非アレルギー性のものに分かれます。

アレルギー性蕁麻疹は食べ物や薬剤に含まれる成分が原因となり、アレルギー反応を起こして発現する蕁麻疹です。

非アレルギー性蕁麻疹はアレルギー反応ではなく、物理的な刺激などで発現します。例としては、皮膚をひっかいたときにできる機械性蕁麻疹、日に当たってできる日光蕁麻疹、ラテックスゴムに触れたときにできる接触性蕁麻疹、冷水・温水などによる寒冷・温熱蕁麻疹などがあります。

治療につかわれるお薬

ドュピクセント

ドュピクセントについて詳しく見る

突発性の慢性蕁麻疹(じんましん)の治療薬として12歳上の小児及び成人の方への投与が保険適用となっています。

発生原因が特定されない中、症状発現の時期も予見できず、消耗し、生活の質(QOL)が著しく低下することもあります。ドュピクセントは、アトピー性皮膚炎の治療でも使用されるお薬で、「IL-4」と「IL-13」という蕁麻疹の原因となる物質のはたらきを直接おさえることが出来る新しい治療法のお薬(自己注射)です。

「炎症」「かゆみ」「バリア機能低下」のすべてに対する効果が期待できます。体重によって投与量が変わりますので、まずは医師にご相談ください。

抗ヒスタミン薬

かゆみの原因となる体内のヒスタミンの働きを抑えるお薬が抗ヒスタミン薬です。
1日1回使用するものと、2回服用するものなどがあります。

眠気やインペアード・パフォーマンス(※)の起こりやすさは薬の種類や個人の体質などによって異なり、個人差がでます。自動車の運転や危険を伴う機械の操作に従事される方はご相談ください。

※インペアード・パフォーマンス・・・抗ヒスタミン薬の影響で、自覚のない集中力や判断力、作業効率の低下がみられる場合があります。この状態をインペアード・パフォーマンスと呼びます。

蕁麻疹のよくある質問FAQ

Q蕁麻疹はすぐに受診した方がいいですか?

蕁麻疹は抗ヒスタミン薬を服用することで収まることがほとんどです。1~2日程度の短期間で症状が治まりますが、長く続いたり、繰り返したりする場合は別の疾患の可能性がありますので、受診をお勧めします。

Q蕁麻疹の原因を特定することはできますか?

蕁麻疹の症状のうち7割程度は原因がはっきりしません。風邪の症状があったり、疲労がたまったり、ストレスがたまったりなど様々な要因が重なり症状がでることがあります。まずは、ゆっくりと体を休めるようにしましょう。

Q蕁麻疹は遺伝しますか?

アレルギー性の蕁麻疹で、アトピー体質の場合はある程度遺伝する可能性はありますが、基本的には遺伝しません。

Q蕁麻疹の時は入浴は控えた方がいいなど、注意すべきことはありますか?

入浴することによって体温が上がると、血流が良くなり発疹がひどくなるので控えた方が良いでしょう。
蕁麻疹が出ているときは、部屋の温度や着るものを調整して、体温が上がり過ぎないように注意しましょう。