えいご皮フ科

じんましん

どんな病気?

じんましんとは、皮膚の一部が突然に赤くくっきりと盛り上がり(膨疹)、しばらくすると跡かたなく消えてしまう病気です。たいていはかゆみを伴いますが、チクチクとしたかゆみに似た感じや、焼けるような感じを伴うこともあります。個々の皮疹(ブツブツや赤み)は数十分から数時間以内に消えるのが普通ですが、中には半日から1日くらいまで続くものもあります。症状が激しい場合には次々と新しい皮疹が出没し、常に皮疹が現れているように見えることもあります。膨疹(皮膚の盛り上がり)の大きさは1~2mm程度のものから手足全体位のものまで様々で、また一つ一つの膨疹が融合して体表のほとんどが覆われてしまうこともあります。

原因
じんましんは、4~5人に1人が一生に一度は経験するといわれています。じんましんは、原因がなく自発的に症状があらわれるタイプ(特発性)と特定の刺激に反応してあらわれるタイプ(刺激誘発性)に大きく分けられ、全体の7割以上の患者さんは自発的に症状があらわれるタイプです。日光や温熱、寒さ、疲れ、こすれ、食べ物、運動・発汗、風邪薬や痛み止めなど、特定の刺激で起こるじんましんもあり、この場合は誘因となる刺激を避けることが大事です。また、食べ物が原因となる蕁麻疹も、大きくアレルギー性のもの(特定の食品を食べると必ず蕁麻疹が出る)と非アレルギー性のもの(同じ食品を摂取してもその日の体調により症状が出たり出なかったりする)があります。アレルギー性の場合は、疑わしい食品やその食品のエキスなどを用いた皮膚検査や血液検査で原因を突き止めます。
治療
じんましんの治療では、「治療により症状があらわれない状態」を第一目標とし、「無治療で症状があらわれない状態」を最終目標とします。基本的には、特定の刺激に反応してあらわれるタイプの場合には原因となる刺激を避けること、自発的に症状があらわれるタイプの場合には症状を起こすヒスタミンという物質の働きを抑えるお薬(抗ヒスタミン薬)などの薬物療法が中心となります。
はじめは毎日決められた量・回数で抗ヒスタミン薬を内服し、じんましんの症状と効果に応じて、他の飲み薬を併用していくこともあります。症状が軽くなってきたら、先生と相談しながらお薬の量・回数をだんだん減らしていきます。自分の判断で急にお薬を中止しないように心がけましょう。
症状がなくなっても、しばらくはお薬を飲み続けることが大事です。治療を続けることでじんましんの症状を予防できることもあり、やがてはお薬なしでも症状があらわれなくなることも期待できるため、原因不明だとあきらめずにしっかり治療することが大切です。

文責:医療法人正英会 医師 池永達彦

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