アトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎は約8割が乳幼児期に発症します。かゆみのある発疹や皮膚のカサカサ、炎症が特徴で、顔や首、肘や膝のくぼみ、ひどければ全身にあらわれます。良くなったり、悪くなったりを何度も繰り返す難治性の皮膚炎です。
原因は、アトピー体質(遺伝)に様々なアレルゲンやストレスなどの悪化因子が関わって起こると考えられます。素因は残念ながらなくすことはできません。したがって、アトピー性皮膚炎を完治する●●!などのあやしい話にはどうぞ気をつけてください。
当院では日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎治療のガイドラインにしたがって治療目標を「症状がない、あっても軽微で日常生活に支障がない状態にする」としています。軽度の症状はあっても悪化はまれで、悪化してもいつまでも続くことはありません。

悪化因子を除去し、薬、スキンケアで良い状態をキープ

治療の基本は、まずお薬でかゆみや炎症などのつらい症状を改善します。ステロイド剤の使用を不安に思う方もおられますが、症状がきついときにはある程度、軽減するまで使い、症状がおさまってきたらお薬を変えることもできます。その後、良い状態を維持するように保湿やビタミン補給といったスキンケアで予防、改善します。
同時に体の内側からアレルゲンや悪化因子も探し、ひとつひとつ除去していきます。たとえば、自分ではフツウだと思っている食生活や生活習慣に思わぬ落とし穴が潜んでいることもあります。看護師がきめ細かい問診でお話しを伺いながら、入浴や洗顔の指導もしていきます。
次回は「アトピー性皮膚炎・スキンケアの役割と正しい方法」をお話します。

2012.09.27 17:18

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